2026年05月28日の為替・FX動向まとめ
サマリ
ドル円は159円台前半で推移し、政府・日銀による160円防衛への警戒感が相場の上値を抑えています。今週末の米インフレ指標と東京CPIが注目される中、イラン情勢の不透明さが原油価格を左右し為替相場を翻弄しています。中東の地政学リスクと金利差が市場の主要テーマです。
詳細
ドル円:159円台で上値重い展開
ドル円は現在159円台前半を中心に取引されており、4月末に政府が実施した5兆円規模のドル売り円買い介入の効果が続いています。政府は1ドル160円を防衛ラインに定めているとみられ、160円手前では買い介入への警戒感が上値を抑える構図が続いています。
先週の米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を上回る11.5万人増となりましたが、平均時給は予想を下回りました。この結果、労働市場の底堅さとインフレ圧力の緩和が同時に示され、相場は方向感を失っている状態です。
主要な変動要因:イラン情勢と原油価格
現在の円安を主導する最大の要因はイラン情勢と原油高です。2月末の米国・イスラエルによるイラン攻撃以降、為替市場は地政学リスクに敏感に反応しています。イラン側の和平提案をトランプ大統領が拒絶したことで、戦争終結への期待が後退し、原油価格が押し上げられています。
原油高はコストプッシュ型インフレにつながりやすく、米国ではインフレ再燃への懸念が強まっています。原油価格の落ち着きが、ドル円相場の調整にとって重要な要素となります。
ユーロ円:185円台で高止まり
ユーロ円は185円台で推移し、円安トレンドの中で堅調性を保っています。これはユーロ自体が強いだけでなく、円が構造的に買われにくい環境が継続しているためです。欧州中央銀行(ECB)が6月の利上げに向けて準備を進める中、ユーロドルは1.16ドル台で推移しており、ドル安圧力が続いています。
今後の展望
注目される今週末のイベント
5月28日(本日)には米4月PCEデフレーターと1-3月期GDP改定値が発表されます。翌29日には5月東京都区部CPIが控えています。PCEが強ければFRBの利上げ転換観測が高まってドル買いが進みやすく、東京CPIが上振れれば日銀利上げ期待が再燃して円買いに転じる可能性があります。
2026年年末への見通し
野村證券はドル円の2026年末見通しを152.5円に引き上げました。中東情勢が収束し、原油価格が落ち着けば、FRBの利下げ再開や日銀の利上げなどを背景に、ドル円は150~155円レンジへ緩やかに調整する可能性が高いと分析しています。ただし、中東紛争の長期化リスクが継続する限り、ドル高圧力は残りやすい状況です。
日本の政策対応
日本の通貨当局は円安阻止に向けた為替介入を続ける方針を示しています。介入は「時間を買う」政策とも言われ、その間に為替市場を取り巻く環境が変化することを期待しています。ただし、政府は円安阻止を望む一方で、日銀の利上げ積極化を望んでいないという温度差が存在し、政策協調の強化が今後の課題となります。
個人投資家にとっては、ドル円だけでなくユーロ円やポンド円といった他の通貨ペアもバランスよく監視し、円という通貨全体の弱さを認識することが重要です。米国の物価、FRBの金融政策、イラン情勢など複数の要因を総合的に判断する必要があります。
