サラリーマンの独立起業講座【初級編】第16回:事業のリスク管理と対策
サマリ
起業家の約40%が事業開始後5年以内に廃業します。その主な原因は経営管理不足やリスク対策の欠如です。本記事では、サラリーマン起業家が押さえるべき主要なリスク要因と、実践的な対策方法を解説します。事前の準備で失敗リスクを大幅に低減できます。
詳細
起業家が直面する主なリスク
起業を決めたあなたが真っ先に認識すべきは、どんなリスクが存在するかです。中小企業庁の調査によれば、起業後の廃業理由の第1位は「売上不足」で約35%、第2位は「経営不振」で約25%です。これらは事前の準備で対策可能なものばかりです。
起業家が直面するリスクは大きく3つに分類できます。まず「市場リスク」は、顧客ニーズの変化や競合との競争による売上減少です。次に「財務リスク」は、資金ショートや過度な負債を意味します。最後に「運営リスク」は、人材確保やトラブル対応の難しさです。それぞれへの対策が生き残りの鍵になります。
資金繰りリスクへの対策
起業家にとって最も直結した危機は、資金が枯渇することです。理想と現実のギャップはここに現れやすいです。
対策の第1は、充分な初期資金の確保です。一般的に、事業開始から軌道に乗るまで6〜12ヶ月かかると言われています。月間支出の最低でも6ヶ月分、可能なら12ヶ月分の運転資金を用意しましょう。サラリーマン時代の貯蓄を活用することをお勧めします。
第2は、現金流出を最小化することです。仕入れ先への支払い条件を交渉して長期化させたり、家賃や通信費などの固定費を削減したりです。毎月のキャッシュフロー(お金の流れ)を把握する習慣が重要です。会計ソフトを導入して、日々の収支を記録しましょう。
第3は、複数の資金源確保です。自己資金だけでなく、親族からの借入、銀行融資、補助金制度などを組み合わせます。政府系金融機関の創業融資制度は、起業家向けに有利な条件を用意していますので、活用価値があります。
顧客リスクへの対策
「顧客がいない」は起業家の悪夢です。しかし、事前準備で大幅に軽減できます。
対策の第1は、開業前の顧客開拓です。会社員のうちに、取引先候補や知人ネットワークに事業内容を説明しておきましょう。理想は開業時点で初期顧客が複数社確定している状態です。可能であれば事前発注を取ることがベストです。
第2は、マーケティング計画の策定です。誰が顧客か、どうやってアプローチするか、を明確にしておきます。SNS、チラシ、業界誌広告など、複数の集客チャネルを組み合わせることが重要です。特にSNS活用は初期投資が低く、起業家向きです。
第3は、顧客集中度のコントロールです。特定顧客への売上依存度が50%を超えることは危険です。複数の顧客セグメントを開発し、分散させることで、1社との取引喪失による経営危機を回避できます。
人的リソースのリスク
最初は一人で始めても、やがて人を雇う時が来ます。ここもリスク要因です。
対策の第1は、必要な人員を慎重に判断することです。売上が見込める確信が持てるまで、採用を控えましょう。固定費としての給与は、毎月の負担になります。やむを得ない場合は、業務委託やパート雇用で柔軟性を保つことが有効です。
第2は、引き継ぎ体制の整備です。あなたが倒れた場合、事業が回るような仕組みを作ります。マニュアル作成、業務の分散、外部パートナーの活用などが考えられます。
定期的なリスク評価
リスク管理は一度の対策では終わりません。起業初期は月1回、経営が安定してきたら3ヶ月に1回程度、事業環境とリスク要因を見直しましょう。市場環境の変化に対応できる経営者になることが、長期の成功へつながります。
