今からでも間に合う!サクッと脳科学講座(初心者編)第3回:ニューロンの働き
はじめに
さあ、第3回の講座を始めますわよ。今回のテーマは「ニューロン」、つまり脳の中で働く小さな小さな細胞たちのお話ですわ。あなたが今この文章を読めているのも、ご飯がおいしいと感じられるのも、すべてニューロンたちのおかげでしてよ。目には見えないほど小さな存在が、これほどの仕事をこなしているとは、まったく宇宙の神秘というものは奥深いですわ。どうぞ最後まで、ごゆっくりお楽しみになってくださいませ。
サマリ
脳の中には約860億個もの「ニューロン(神経細胞)」があり、これらが電気信号や化学物質を使って互いに情報を伝え合っています。ニューロンの働きを知ることで、記憶・感情・行動のしくみがぐっとわかりやすくなります。難しそうに聞こえますが、基本はとてもシンプルです。
詳細
ニューロンって何者? まずは姿を想像してみよう
ニューロンとは、脳や神経系に存在する特別な細胞のことです。
形をイメージするなら、「タコ」に近いかもしれません。丸い体(細胞体)から、たくさんの細い足が伸びています。足の一部は情報を受け取るためのアンテナ(樹状突起)で、もう一本だけ長く伸びた足は情報を送り出すためのケーブル(軸索)です。
この「受け取って・送る」という構造がニューロンの基本です。シンプルですが、これが860億個も集まると、とんでもないことが起きます。
ニューロンはどうやって情報を伝えるの?
ニューロンが情報を伝えるとき、まず「電気の信号」を使います。
たとえば、熱いものに触れたとき。その「熱い!」という情報は、電気信号として一瞬でニューロンの中を走ります。新幹線が線路を走るように、信号がニューロンの長いケーブルをスーッと伝わっていくイメージです。
そしてニューロンの先端まで信号が届くと、次は「化学物質」にバトンタッチします。この化学物質が隙間(シナプス間隙)を飛び越えて、隣のニューロンに届き、また電気信号が走り出します。このリレーが、脳全体で猛スピードで行われているのです。
「つながり」が大事! ニューロンのネットワーク
ニューロン一個では、できることはほとんどありません。
大切なのは、ニューロン同士の「つながり」です。一つのニューロンは、多いときで1万個以上の別のニューロンとつながっています。この巨大なつながりのネットワーク全体が、思考・記憶・感情・運動などあらゆる機能を生み出しています。
インターネットを想像してみてください。パソコン一台では何もできませんが、世界中のコンピュータがつながると、すごい力を発揮しますよね。ニューロンのネットワークもまさにそれです。
使えば使うほど強くなる! ニューロンの成長
ニューロンには、とても面白い性質があります。それは「よく使うつながりほど太く・強くなる」ということです。
楽器の練習を続けると上手くなりますよね。それはニューロン同士のつながりが、練習のたびに強化されているからです。反対に、しばらく使わないつながりは弱まっていきます。
「脳は変わらない」と思っている方も多いかもしれませんが、実際には毎日少しずつ変化しています。これを「脳の可塑性」と呼びますが、難しく考えなくて大丈夫。「使えば育つ」と覚えておきましょう。
ニューロンが疲れると、私たちも疲れる
ニューロンは休みなく働いていますが、疲れることもあります。
集中して勉強や仕事をした後にぐったりするのは、ニューロンが大量の信号を送り続けてエネルギーを使い果たしているからです。脳はとても燃費が悪く、体全体のエネルギーの約20パーセントを消費するといわれています。
だからこそ、睡眠が大事です。眠っている間、ニューロンは情報を整理し、エネルギーを補充します。「睡眠は怠け者のもの」なんてとんでもない。ニューロンにとって睡眠は、最高のメンテナンス時間なのです。
おわりに
今回は、脳の主役であるニューロンの働きを学びましたわね。電気と化学物質でリレーをして、860億個がつながって、使えば使うほど育っていく。なんとも健気で頼もしい細胞たちでしょう。あなたが今この記事を読んで「なるほど」と感じた、そのひとつひとつの瞬間にも、ニューロンたちは一生懸命働いていましてよ。次回は「記憶のしくみ」についてご一緒に学んでいきますわ。どうぞお楽しみに、ですわ。
