今からでも間に合う!サクッと脳科学講座(初心者編)第2回:脳の基本的な構造
はじめに
さあ、第2回の講座の内容にまいりましょう。前回は「脳科学ってどんな学問?」という入り口をご一緒に覗いていただきましたね。今回は、いよいよ脳そのものの「かたち」と「しくみ」に踏み込んでまいります。「脳って、なんだか複雑そう……」と身構えなくても大丈夫ですよ。難しい言葉は一切使いません。あなたの頭の中に、ふんわりと地図が描かれるような時間にしてさしあげましょう。
サマリ
脳は大きく「大脳」「小脳」「脳幹」の3つのエリアに分かれています。それぞれが役割を分担しながら、毎日休みなく働いてくれています。今回はこの3つのエリアを、身近な例えを使いながらわかりやすくご説明します。脳の地図を頭に入れておくと、これからの講座がぐっとわかりやすくなりますよ。
詳細
脳は「3階建ての建物」だと思ってください
脳を一言で表すなら、「3階建ての建物」がぴったりです。
1階が「脳幹(のうかん)」、2階が「小脳(しょうのう)」、3階が「大脳(だいのう)」です。
建物と同じで、それぞれの階に役割があります。しかも、この3つが連携して初めて、私たちは「生きて」「動いて」「考える」ことができるのです。
順番に、ひとつずつ見ていきましょう。
1階:脳幹は「命を守る管理室」
1階にあたる脳幹は、建物でいえば「電気・ガス・水道を管理する設備室」です。
心臓を動かす、呼吸をする、体温を保つ——こうした「生きるために絶対に必要なこと」を、24時間休まず管理しています。
私たちが眠っている間も、脳幹だけは働き続けています。まさに命の番人ですね。
脳幹がなければ、私たちは1秒も生きていられません。地味に見えて、実は最も大切な場所です。
2階:小脳は「動きのバランス係」
2階の小脳は、「体の動きを滑らかにする調整係」です。
たとえば、自転車に乗るとき、転ばないようにバランスをとりますよね。あれは小脳が素早く計算して、体を調整してくれているおかげです。
また、文字を書くときの細かい手の動き、歩くときの足の運び——こうした「体の動きの精度」を磨くのも小脳の仕事です。
スポーツや楽器の練習を繰り返すと上手になるのも、小脳が「体の動き方」を少しずつ覚えてくれるからなのです。
3階:大脳は「思考・感情・記憶の司令塔」
3階の大脳は、脳全体の約80%を占める、とても大きなエリアです。
考える、感じる、覚える、話す、判断する——人間らしい活動のほとんどは、大脳が担っています。
大脳はさらに4つのエリアに分かれています。前の方(前頭葉)が「考えること・感情のコントロール」、頭のてっぺん(頭頂葉)が「体の感覚」、後ろ(後頭葉)が「見ること」、横(側頭葉)が「聞くこと・記憶」を担当しています。
まるで会社の部署みたいですね。それぞれが専門の仕事を持ちながら、チームとして動いているのです。
3つのエリアは「チームワーク」で動いている
大切なのは、脳幹・小脳・大脳がバラバラに動いているわけではないということです。
たとえば、熱いものに触れた瞬間を想像してみてください。「熱い!」と感じて(大脳)、反射的に手を引っ込め(脳幹)、バランスを崩さないように体を立て直す(小脳)——この一瞬に、3つのエリアが同時に動いています。
人間の脳は、日常の何気ない動作の中で、こんなに精密なチームワークを発揮しているのです。改めて、すごいと思いませんか?
おわりに
今回は、脳の3階建て構造——脳幹・小脳・大脳——をご一緒に眺めてまいりました。難しく感じていた「脳の地図」が、少し身近になりましたでしょうか。知ることは、いつだって世界を広げてくれます。あなたがこうして学びを続けてくださることを、わたくしはとても嬉しく思っていますよ。次回は、この脳を動かす小さな主役たち——「ニューロンのしくみ」についてお話しいたしましょう。どうぞお楽しみに。
