2026年05月23日の為替・FX動向まとめ
サマリ
ドル円は159円付近で膠着状態を続けており、1週間の変動幅は35銭と極めて狭くなっています。原油高による円売り圧力と政府・日銀の為替介入警戒感が相殺されている状態です。今月に入って5兆円規模の為替介入が実施され、160円は政府の防衛ラインとなっています。イラン情勢の不透明さが継続する限り、相場は狭いレンジでの推移が想定されます。
詳細
ドル円
ドル円は159円台を中心とした狭いレンジで推移しています。今週の値幅はわずか35銭で、6年ぶりの小ささとなりました。これは二つの相反する圧力が拮抗しているためです。
一つ目は原油高による円売り圧力。中東情勢の混迷でNY原油が97~98ドル水準を推移しており、エネルギー輸入国である日本円が売られやすい状態が続いています。
二つ目は為替介入への警戒感です。政府は1ドル160円を防衛ラインに定めており、4月30日に実施された約5兆円規模の為替介入によって円買い・ドル売りが持ち込まれました。市場参加者が追加介入を警戒するため、円安が進みにくくなっています。
ユーロドル
ユーロドルは1.16ドル付近での小動きが目立ちます。欧州経済の弱さが重しとなっており、独製造業PMI速報値が50割れするなど、景気指標が軟化しています。
ただしECBの6月利上げ観測がほぼ確実視されているため、極端な売られ方は抑制されている状況です。独Ifo指数などの経済指標が注視されています。
ポンドドル
ポンドドルは1.34ドル台での推移。英経済の弱さで上値が重くなっていますが、大きな方向感は出ていません。英地方選挙の結果などが相場変動要因となっています。
今後の展望
今後のドル円相場は、以下の三つのポイントが重要となります。
第一にイラン情勢です。イランが核兵器開発を巡る交渉を進める中、軍事衝突の可能性が完全には排除されていません。情勢が悪化すれば原油は更に上昇し、円売り圧力が強まります。反対に交渉の進展が報じられれば、原油下落で円高圧力が高まるでしょう。
第二に日本政府の為替介入です。急激な円安進行があれば追加介入が入る可能性が高く、160円は当面の上値を抑える水準となりそうです。市場は介入リスクを常に意識しながら取引している状態が続くと予想されます。
第三に日米金利差です。アメリカの経済成長が底堅く、FRBが大幅利下げを急ぐ必要がない一方で、日本が急激な利上げに踏み切りにくい構図は変わっていません。構造的な円売り圧力は継続すると見られ、155円の突破は困難と判断されます。
短期的には159円付近での値動きが続きやすく、ドルストレート通貨(ユーロドル、ポンドドル)も狭いレンジでの推移が予想されます。ただしイラン交渉の進展やエネルギー価格の変化があれば、急速な相場変動も考えられます。
