2026年05月23日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
5月末の金・原油市場は、米国とイランの和平交渉をめぐる市場心理に左右される神経質な状況が続いています。金は1グラム25,300円前後で推移し、原油はWTI先物が約99ドル/バレルと4年ぶりの高値圏を保っています。中東情勢の不確実性がコモディティ全体の値動きを支配している状況です。
詳細
金価格の最新動向
国内の金価格は1グラムあたり約25,300円で、年初からの上昇基調を維持しています。国際的には1オンス4,500ドル付近で取引されており、この水準は過去の標準的な値よりも大幅に高い状態が続いています。
5月の金価格変動の主な要因は、米イラン交渉に関するニュースです。交渉が進展すると原油価格が低下し、インフレ懸念が後退して金も上昇します。一方、交渉が難航する報道が出ると、原油価格が跳ね上がり、高インフレと米金利上昇の見通しから金は売られるという、非常に細かい値動きになっています。
金の値動きに影響する重要な要素は利下げ期待です。金は利息を生まない資産のため、金利が低いほど投資家にとって魅力が高まります。現在、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ懸念を理由に高金利政策を続ける可能性が市場で意識されており、これが金の上値を抑えています。
原油価格の現況
原油市場はホルムズ海峡の封鎖解除が焦点になっています。WTI先物は約99ドル/バレルで取引されており、戦争前の水準から約50%上昇した状態を保っています。これは世界経済のリスクシナリオが市場に織り込まれていることを示しています。
5月の原油価格は極度に不安定です。トランプ大統領が米イランの交渉が「最終段階」にあると述べた時点では、供給懸念が後退して6%近くまで下落しました。しかし、イランの最高指導者が濃縮ウランの国外搬出を認めない意向を示したとの報道が出ると、再び上昇に転じています。
米国は戦略石油備蓄から約1000万バレルを記録的な量で放出しており、供給不足を緩和する努力をしています。それでも、ペルシャ湾からの出荷が最終市場に到達するまでに2ヶ月かかることから、世界の物理的な石油市場は逼迫したままの見通しです。
今後の展望
コモディティ市場の方向性は、米イラン間の和平交渉の成否に大きく左右されそうです。ホルムズ海峡が完全に再開されれば原油価格は100ドルを割る可能性があり、金もインフレ懸念の後退から上昇する可能性があります。一方、交渉が決裂すると中東情勢が再び緊迫化し、両相場とも大きく変動するリスクがあります。
中長期的には、原油は5月~6月のブレント価格は106ドル前後、2027年には79ドル程度まで低下すると専門家予想は指摘しています。ただし、これは平和的な状況の想定に基づくものです。金については、インフレへの警戒感とドルの強度によって値動きが大きく変わる局面が続くでしょう。
日本の投資家にとって重要な点は、円安の影響です。ドル円相場が159円程度で推移する中、ドル建て商品の動きが円換算では増幅される傾向にあります。原油高は家計や企業の収益に大きな影響を与えるため、供給リスクと世界経済の動きをセットで監視することが重要になっています。
