2026年07月05日の金・原油価格動向まとめ
サマリー
7月上旬の金相場は高値圏で調整局面にあり、4,100ドル台での推移が続いています。一方、原油は供給リスクと需要バランスの変化に左右され、地政学的な緊張がリスク要因として残存しています。両相場ともファンダメンタルズ要因による中長期の上昇圧力が存在する反面、短期的には技術的調整が続く状況です。
詳細
金価格の動向
金相場は現在、高値圏でのもみ合い局面が続いています。NY先物市場8月限は7月2日に4,125.7ドルで推移しており、年初のピークから調整が入った状態です。国内では1グラムあたり2万2,000円台で推移していることが確認されており、1970年代比で10倍以上の水準にあります。
金価格が上昇した背景には、いくつかの要因が重なっています。まず、中央銀行による継続的な金買い増しが大きなサポート要因となっており、これは脱米ドル化の動きと外貨準備の分散化ニーズに基づいています。また、投資家のポートフォリオ分散需要も強く、金はインフレやジオポリティカルリスクへのヘッジ手段として機能しています。
ただし、現在は短期的な調整局面にあります。米国の高金利と強いドルが金の機会費用を高めているため、テクニカル的な売却圧力が生じやすい状況です。その結果、4,000ドル台での底堅い支持とピーク付近での利益確定売りの間で上下動が続いています。
原油価格の動向
原油市場はさらに複雑な状況にあります。2月28日のイスラエル・米国によるイラン攻撃以降、ホルムズ海峡の封鎖リスクが顕在化し、それまで「ほぼ起きない」と見なされていた「テールリスク」が「日常的なリスク」へと変わりました。これが原油相場の長期的な下支え要因となっています。
現在、ブレント原油は1バレルあたり約105ドル程度で推移しており、6月初旬から若干の調整が見られています。原油需要は世界経済の回復を背景に堅調ですが、OPECの協調減産継続が供給を抑制しており、供給制約の構造が価格を支えています。
重要なのは、短期と長期で見通しが異なる点です。短期では中東情勢の若干の緩和や在庫状況の改善により、67ドル程度への下げが報じられることもあります。しかし、ホルムズ海峡リスクが恒久的に高まったため、長期的には80~105ドルの高止まりが見込まれています。11月のOPEC閣僚会議で協調減産延長の決定が予定されており、供給の抑制が続く可能性があります。
今後の展望
金と原油の双方に共通するのは、短期的な変動性がある一方で、構造的な上昇圧力が存在することです。金については、中央銀行需要と投資需要の両立が2026年下半期も継続すると見込まれています。米国の金融政策の動向が最大のリスク要因ですが、実質金利が低下すれば再び上値を目指す可能性があります。
原油に関しては、地政学的リスクの完全な解消が期待しにくいため、供給不安を織り込んだ相場が基調となるでしょう。産油国の協調減産が2026年末まで続く見通しであり、需給的には引き締まり傾向が継続します。一方で、世界経済が景気後退に陥る場合は下落圧力も高まります。
両相場とも、グローバルな経済・政治情勢の不確実性が高い環境では、価格が高止まりしやすいという特性があります。インフレ懸念や地政学リスクが残存する限り、コモディティ投資の重要性は高まり続けると言えるでしょう。個別の売買タイミングを判断する際には、米国金利動向、為替相場、地政学リスク、の3つの要素を常にチェックしておくことが重要です。
