2026年06月02日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
6月初旬の金相場は国内で1グラム25,758円の高値圏を維持。世界の金価格は1オンス4,493ドルで推移しています。一方、原油はWTI先物が約88ドル近辺と、米イラン間の暫定合意期待で下落基調が続いています。地政学リスクと米経済指標が相場を大きく左右する局面です。
詳細
金価格の現況と特徴
金価格は今、「歴史的な高値圏」と「激しい値動き」という相反する2つの特徴を同時に持っています。
国内小売価格は6月1日時点で25,758円/gで、2024年5月の12,119円/gから約2倍以上に上昇しました。この急速な上昇は、新興国中央銀行によるドル離れ(「脱ドル化」と言われます)が進む中で、金が「本当の価値を持つ資産」として見直されている証拠です。
興味深いのは、5月下旬に急落した直後、金市場が強烈に反発した点です。その背景は、米国経済指標の発表でした。インフレ圧力は残る一方で経済成長が減速する「スタグフレーション」の兆候が強まり、これが米ドル を弱くしたのです。ドルが弱くなると、金などの実物資産への買い注文が殺到します。この流れがまさに5月末に起きました。
もう1つ大きなサポート要因は円安です。財務省が直近1カ月で過去最大となる11兆7,349億円の円買い為替介入を実施したにもかかわらず、1ドル=159円台の歴史的な円安水準が続いています。これが国内金価格の上昇を強力に下支えしています。
原油価格の現況と変動要因
原油相場は現在、米イラン間の平和交渉が主な焦点になっています。WTI原油先物は約88ドルまで下落し、5月の高い時期から大きく値を下げました。
背景にあるのはホルムズ海峡の状況です。この海峡は世界の石油流通の約5分の1を占める超重要な輸送ルートですが、米イラン間の緊張で一時的に事実上閉鎖されました。ところが最近、停戦延長と海峡再開に向けた予備合意が報道され、市場は「供給混乱が解決されるかも」という期待から売りに傾いています。
ただしこの合意はまだ不確実です。トランプ米大統領が最終判断をしていないほか、イランは一部否定しているとの報道もあります。また同時に、イスラエルがレバノンへの攻撃を強めるなど、中東情勢は依然として不安定です。こうした不透明感が原油価格の値動きを荒くしています。
5月は月間で16.2%の下落となり、紛争前の水準と比較しても依然として高止まりしているのが特徴です。
今後の展望
金相場の見方
金価格は「長期的には上昇機運が残る」一方で「短期的には値動きが荒い」という段階にあります。
強気な背景は構造的な需要の存在です。世界の中央銀行は2022年から2024年で毎年1,000トンを超える金を買い越し、2025年も高水準を維持しています。これは「脱ドル化」の動きが続く限り、長期的な買い圧力になり続けます。
一方、注意が必要なのは短期的な値動きの激しさです。米国の経済指標や地政学リスク、金融政策の方向性が日々変わると、金価格も上下しやすくなります。4月下旬の急落がその典型例です。購入を検討している方は、一度に大金を投じず「純金積立」などで時期を分散させ、数日~数週間単位で価格をチェックしながら判断することをお勧めします。
原油相場の見方
原油市場は「地政学リスク」と「需給バランス」という2つの軸で動いています。
短期的には米イラン合意の行方が極めて重要です。合意が実現してホルムズ海峡が本格的に再開されれば、供給不安が緩和され、さらなる下落余地があるでしょう。逆に合意が決裂すれば、供給懸念から急騰する可能性もあります。
長期的には、2025~2026年の原油価格下落が非OPEC加盟国(ロシアやアメリカ以外の産油国)の生産を圧迫している一方で、15年間の投資不足で新規採掘事業が極めて少なくなっているという点が重要です。これが2027年以降、価格反発の土台になる可能性があります。
コモディティ市場全体の注目ポイント
6月以降は以下の点に注意が必要です。
第1に、米国の経済指標とFRB(連邦準備制度)の金融政策スタンスです。利下げが進めば金価格を押し上げますが、逆にインフレが加速すれば金利が上昇し、金には逆風になります。
第2に、円相場の動きです。1ドル=160円を超える円安が続けば、円建ての金価格はさらに上昇する傾向があります。
第3に、中東情勢の急変です。米イラン関係、イスラエルのレバノン情勢、その他の地域紛争が原油供給に直結する時代です。今後の報道に目を光らせることが重要です。
金と原油は「インフレヘッジ」と「リスク資産」という異なる性質を持ちながら、世界経済と地政学リスクという共通のテ
