サマリ
2026年6月下旬の日本株は、イラン情勢の改善と企業業績の堅調さを背景に約7万1000円まで上昇し、過去最高値を更新しています。一方、米国株はインフレ懸念と金利上昇圧力から不確実性が強まっており、AI関連株の調整が続いています。
詳細
日本株の動向
今週(6月15〜19日)の日経平均株価は大幅に上昇し、先週末と比べて5230.02円(7.92%)高い7万1250.06円で終えました。この上昇を支えた主な要因は、地政学リスクの緩和です。日本時間6月15日早朝に米国のトランプ大統領がイランと戦闘終結で合意したと発信したことで、地政学リスクへの警戒感が大きく後退しました。
企業業績面でも強気材料が目立ちます。AI・半導体企業(ソフトバンクグループを除く)の経常利益は2026年度に倍増する見込みで、急速に上方修正が進んでいます。こうした好業績を背景に、投資家の買い意欲は旺盛です。ただし、足元では過熱感も指摘されており、過去1週間で日経平均株価は5%以上上昇しましたが、このような急騰後は上昇ペースが鈍るか、一進一退となるケースが多くみられます。
日本株の今後の見通しについて、大手証券では強気予想が相次いでいます。TOPIXを2026年末4,200、日経平均株価を2026年末68,000円と予想するなど、年末までの一層の上昇を見込んでいます。ただし、市場の割高感についても注視が必要です。
米国株の動向
米国株は6月に入り、複雑な値動きを示しています。5月の好調なパフォーマンスから一転、インフレ懸念が台頭しています。5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比17.2万人増となり、市場予想を上回りました。この結果は、労働市場の底堅さを示す一方で、FRB(米連邦準備制度理事会)が早期に利下げへ転じるとの見方は後退しました。
企業業績は引き続き堅調です。2026年の1株あたり利益(EPS)の伸び率について、S&P500種株価指数全体では前年比+15.5%となっています。情報技術が同+30.4%と高い伸びが予想されています。ただし、現在の株価水準には懸念も出ています。S&P500構成企業の予想PERは21.1倍と、過去5年平均の19.9倍、過去10年平均の19.0倍を上回っています。
アナリストの見通しはやや慎重です。6月のS&P500は「企業業績の強さ」と「金利・原油高への警戒」が綱引きする相場になりそうと予想されており、前月のような一方的な上昇は期待しにくい状況が続いています。
今後の展望
日本株と米国株の今後を占う上で、複数の要因が並行して作用します。日本株は企業業績の改善が基本的な支援材料となる一方で、米国金利の動向に敏感です。2026年3月期の日経平均株価の1株利益は2,690円前後で、来期12%増益なら、単純計算で3,000円強となり、PER20倍まで評価すれば日経平均株価は6万円に乗せる計算になりますと試算されており、業績面でのサポートは強固です。
米国株は、今後のFRBの政策姿勢が最大の焦点になります。インフレ懸念が後退すれば、利下げ期待が復活し株価を支援します。逆に物価が高止まりすれば、高金利政策の長期化によって、特に成長株に下押し圧力が続くでしょう。6月下旬のFOMC開催や各種経済指標の発表が、7月以降の相場方向性を大きく左右することになります。
全体的には、企業業績の堅調さが株式市場の下支えとなりますが、地政学リスク、金利動向、インフレ指標など複数の不確実性要因が存在しています。特に新興国市場や中国経済の動向も、グローバルな資金配分に影響する可能性があります。投資家としては、これら多角的なリスク要因を注視しながら、企業業績という本質的価値に基づいた投資判断を心がけることが重要です。
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