今からでも間に合う!サクッとデザインシンキング講座(初心者編)第17回:固定観念を手放す方法
はじめに
さあ、第17回の講座の内容にまいりましょう。あなたはこれまでの講座で、たくさんのことを学んでこられましたね。今回のテーマは「固定観念を手放す方法」。人は誰しも、長年のうちに知らず知らず、心の中に「これはこうあるべき」という壁を積み上げてしまうものです。けれどその壁こそが、新しいアイデアの芽を摘んでいることがございます。今日はそっと、その壁をほどく時間を過ごしてまいりましょう。
サマリ
固定観念とは、長年の経験や習慣から生まれた「当たり前」の思い込みのことです。デザインシンキングでは、この思い込みに気づき、意識的に手放すことが大切な第一歩となります。今回は、日常の中で実践できる固定観念の手放し方を、やさしくご紹介してまいります。
詳細
そもそも「固定観念」って何だろう?
固定観念とは、一言で言えば「ずっとそう思い込んでいること」です。たとえば「会議は長くて当然」「企画書は難しく書くべき」「新人が意見を言うなんて」といった考えが、これにあたります。こうした思い込みは、悪意があるわけではありません。経験や常識が積み重なって、いつの間にかできあがったものです。でも、デザインシンキングではこれが「新しい発想の邪魔をする壁」になります。まずは、そういう壁が自分の中にあると気づくことがスタートです。
「なぜそう思うの?」と自分に聞いてみる
固定観念を手放す一番シンプルな方法は、「なぜ?」と自分に問いかけることです。「なぜ会議は長くないといけないの?」「なぜ企画書は難しく書かないといけないの?」と聞いてみてください。意外と「特に理由はない…」と気づくことが多いものです。この「なぜ?」を3回繰り返す習慣を持つだけで、思い込みがほぐれていきます。頭の中でやるより、紙に書き出すとさらに効果的です。
「もし〇〇だったら?」という想像力を使う
「もし子どもがこのサービスを使ったら?」「もし真逆のやり方をしたら?」こんなふうに、あり得ない条件を設定してみると、思考が一気に広がります。これを「もし〇〇だったら?思考」と呼んでみましょう。たとえば、「もし予算がゼロだったらどうする?」と考えると、お金に頼らないアイデアが次々と出てきます。固定観念は「普通はこうだ」という前提から生まれます。その前提を意図的に外してみることで、新しい扉が開くのです。
「他の人ならどう見る?」と視点を借りる
自分一人で考えていると、どうしても同じ場所をグルグルしてしまいます。そんなときに便利なのが、「他の誰かの視点を借りる」方法です。「お客さんの立場だったら?」「子どもだったら?」「外国の人だったら?」と想像してみてください。普段と違う立場で物事を見ると、自分の思い込みがハッキリと浮かび上がってきます。これはデザインシンキングの基本である「共感」とも深く結びついています。視点を変えるだけで、世界はガラリと変わります。
「正解を出そう」というプレッシャーを手放す
固定観念が強くなる原因のひとつが、「正解を出さなければ」という焦りです。学校教育の中で「正しい答えを出すこと」を求められてきた私たちには、特にこの傾向があります。でもデザインシンキングでは、最初から正解を出す必要はありません。むしろ「まず出してみる」「間違ってもいい」という姿勢が大切です。「これは変なアイデアかも…」と思っても、一度声に出してみましょう。その「変なアイデア」が、思わぬ突破口になることが多いのです。
おわりに
固定観念とは、あなたを縛る鎖ではなく、ただそっと外せる古いコートのようなものです。気づいて、問いかけて、視点を変えるだけで、あなたの中に眠っていた発想が、やわらかく動き始めます。焦らずに、一つひとつていねいに、ほどいていきましょう。次回の第18回では、「小さく試して改善する」をテーマにお届けいたします。完璧を目指すより、まず一歩踏み出すことの大切さをご一緒に学んでまいりましょう。楽しみにしていてくださいね。
