はじめに

さあ、第6回の講座の内容にまいりましょう。ここまでご一緒に歩んでこられたあなたは、もうデザインシンキングの大切な考え方をいくつも身につけていらっしゃいますよ。今回のテーマは「本当の問題を見つける」こと。これはね、とても地味に見えて、実はすべての出発点となる、とても大切な一歩なのです。焦らず、ゆったりと読み進めてくださいませ。

サマリ

問題を解こうとするとき、私たちはつい「見えている症状」にばかり目を向けてしまいます。でも本当に大切なのは、その奥に隠れている「本当の問題」を見つけること。今回は、表面的な問題に惑わされず、本質をやさしく掘り起こすための考え方をご紹介します。

詳細

「問題」と「症状」は別物です

たとえば、職場で「会議が長い」という不満があるとします。では「会議を30分に短くしよう!」とルールを作ったとしたら、どうでしょう。時間は短くなったけれど、なんとなくすっきりしない…そんな経験はありませんか?

実はこれ、「症状」を治しただけで、「本当の問題」に触れていないからです。「会議が長い」のは症状。「なぜ長いのか」を考えると、「目的がはっきりしていない」「決裁権を持つ人が来ない」など、本当の問題が見えてきます。

問題と症状を混同しないこと。これが、本当の問題を見つける第一歩です。

「なぜ?」を5回繰り返してみましょう

本当の問題を掘り下げるのに、とても便利な方法があります。それは「なぜ?」を5回続けて問いかけること。

「会議が長い」→なぜ?→「話が脱線する」→なぜ?→「ゴールが決まっていない」→なぜ?→「会議の準備をする習慣がない」→なぜ?→「準備の仕方を誰も教わっていない」→なぜ?→「組織に会議の文化がない」。

ここまで掘ると、解決策もガラリと変わってきますよね。「会議の準備マニュアルをつくる」「会議の目的を事前共有するルールをつくる」など、本質に近づいた対策が生まれます。

「なぜ?」は魔法の言葉。ぜひ口癖にしてみてください。

「誰の問題か」を忘れないで

もう一つ、大事なことがあります。それは「誰が困っているのか」を丁寧に確認することです。

たとえばスーパーで「レジの待ち時間が長い」という問題があるとします。お客様が困っているのか、レジのスタッフが困っているのか、店長が困っているのか。同じ「待ち時間」でも、誰の立場で見るかによって、本当の問題はまったく違ってきます。

お客様目線なら「早く帰りたい」が問題。スタッフ目線なら「処理が追いつかない」が問題。店長目線なら「クレームが増えている」が問題かもしれません。

問題を見つけるとき、「これは誰にとっての問題?」と必ず立ち止まりましょう。

問題を「言葉にする」練習をしましょう

本当の問題が見えてきたら、それを言葉にしてみることが大切です。頭の中でなんとなくわかっているだけでは、次の行動につながりません。

おすすめの形は「〇〇な△△さんは、□□という問題を抱えている」という一文です。たとえば「会議の準備方法を知らない若手社員は、会議のたびに何を話せばいいかわからず困っている」というように。

こうして言葉にすると、問題がぐっと具体的になります。チームで共有するときにも、ずれが生まれにくくなりますよ。問題を言葉にすることは、解決への道を開く鍵なのです。

「正しい問い」が、すべてを変えます

デザインシンキングには「問いの立て方がすべて」という考え方があります。同じ状況でも、問いの設定が変わると、生まれるアイデアがまったく別物になるのです。

「どうすれば会議を短くできるか?」と「どうすれば会議で全員が納得して決断できるか?」。この二つ、どちらが本当の問題に近いでしょうか?

ちょっと考えるだけで、後者のほうが本質に近いことがわかります。問いを変えると、世界が変わります。焦って答えを出す前に、まず「正しい問い」を見つけることに時間をかけてみてください。

おわりに

いかがでしたか?「問題を解く」よりも「本当の問題を見つける」ことのほうが、ずっと大切だということが伝わりましたでしょうか。焦って答えを出そうとしなくてよいのです。じっくりと「なぜ?」を重ね、誰の問題かを確かめ、言葉にしていく。その丁寧な歩みが、やがて大きな変化を生み出します。次回の第7回では、いよいよ「アイデアをたくさん出す」という、ワクワクする楽しいステップへと進んでまいります。どうぞお楽しみに。

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oyashumi
5億年前から来た全知全能の絶対神。 アノマロカリ子とハルキゲニ男を従え、 現代のあらゆる知識を手に入れようとしている。 生成AIは神に仇なす敵だと思っているが その情報に踊らされていたりもする。 カリ子とゲニ男からの信頼は篤い。