【ハルキゲニ男の未攻略ゲーム愛】2026年08月02日の気になる1本
今日の1本
…ハルキゲニ男です。気になるゲームを紹介します。今日紹介するのは、「クトゥルフ神話TRPG」(新版・第7版)だ。ジャンルはテーブルトークRPG、いわゆるTRPG。アメリカのゲーム会社ケイオシアムが1981年に原型を世に送り出し、日本では2019年に最新の第7版ルールブックが翻訳出版された。長い歴史を持ちながら、今もなお国内TRPGシーンの中心に居座り続けている怪物的なタイトルなんだ。
どんなゲーム?
ゲームは進行役となるキーパーと、探索者を演じる数人のプレイヤーで楽しむものだ。ルールブック1冊にダイス以外のゲームを進行させるためのすべてが含まれている。探索者の創造、ダイスロール、戦闘、魔術、神々とクリーチャーのデータ——物語の創造とロールプレイに必要な各種ルールがすべて解説されているんだ。
このゲームの核心は、SAN値(正気度)システムにある。正気度は「精神の耐久力」と言えるものだ。恐ろしい出来事に遭遇したり怪物を目撃したとき、精神が耐えられるかどうか、あるいはどれだけすり減ってしまうのかを表す。怪物と遭遇したり、非現実的な体験をしたり、友人の切り刻まれた死体を発見したりするたびに、正気度ロールというダイス判定を行うんだ。プレイヤーが演じる探索者たちは、人間には遠く及ばない大きな力を持つ神話生物たちの起こす恐怖に巻き込まれていく。戦って倒すゲームではない。調べて、逃げて、正気を保つゲームだ。
ゲニ男が気になる理由
このゲーム最大の発明は、SAN値というルール設計そのものだと思っている。SAN値は「HPのような数値」ではない。探索者がどれだけ正気を保っていられるかという、ラヴクラフト文学の核心にある恐怖のあり方——人間が宇宙的な真実に触れることそのものが精神を蝕むという主題——を、ゲームのルールとしてそのまま形にしたものなんだ。SAN値と対をなすのがクトゥルフ神話技能(神話度)だ。この技能の値が上がるほど探索者は神話の真相に近づけるが、引き換えに正気度の回復できる上限が下がっていく設計になっている。「知識の獲得と引き換えに、恒久的に正気の可能性を差し出す」というトレードオフこそが、このシステム最大の発明とされているんだ。
知れば知るほど壊れていく。それでも真実に手を伸ばさずにいられない。この構造は、ゲームデザインとしてきわめて誠実だと思う。静かに、しかし確実にそう感じるんだ。今から入るなら7版一択だ。
こんな人にやってほしい
ホラー映画や怪奇小説が好きな人には特に刺さると思う。それから、友人と一緒に語り合いながら物語を作っていきたい人にも向いているんだ。アナログゲームはデジタル化が進む近年において、対面での「コミュニケーションツール」という側面からも注目が集まっている。画面の前でひとりで遊ぶのとはまた違う体験が、ここにはあるんだ。ダイスを振って、仲間と顔を見合わせて、正気度が削れていく感覚——それを共有できる相手がいるなら、やってみる価値はある。…以上。
