サマリ
6月下旬現在、金価格は国内で2万2,000円台まで下落し、年初の3万円超から28%も下げています。一方、原油は米イラン和平交渉の進展で供給不安が緩和され、バレル70~71ドル前後の低水準で推移。両市場ともボラティリティが高く、地政学リスクと金利動向が価格を大きく左右しています。
詳細
金価格の現況と背景
金相場は激動の6月を迎えています。国内店頭価格は6月26日時点で1グラムあたり2万2,749円となり、1月29日の高値3万248円からわずか5ヶ月で約28%下落。同時にドル建てでも4,000ドル近辺での推移となっています。
下落の主要因は米国の金利引き上げ予想です。FRB(米国中央銀行)は6月の会合で、年内に少なくとも1回の利上げを示唆。金利が上昇すると、金のように利息が付かない資産の機会費用が増加するため、投資家が売却に傾きます。加えてドルインデックスが1年ぶりの高値をつけており、ドル高=金売圧力という構図が続いています。
ただし市場には底打ちの兆しも見られます。5月末の急落時には心理的な4,000ドル節目で割安感から買いが入り、反発局面もありました。長期的には中央銀行による金買い増しや脱ドル化の動きが相場を下支えするとの見方も根強いです。
原油価格の現況と背景
原油市場は米イランの和平交渉進展で大きく変わりました。6月下旬、WTI原油は70~71ドル/バレルまで下落。4月時点では中東情勢の緊張でバレル98ドル台まで上昇していたのが、ホルムズ海峡の通航再開やイラン産原油輸入の一時免除報道により、供給不安が急速に和らぎました。
OPEC諸国の原油価格指標である「OPECバスケット」は6月21日時点で84.44ドル/バレル。前週比では13%以上下げており、市場は戦時中の供給懸念から通常取引へと転換しています。一方、基礎的な需給では在庫が依然として過去平均より低い水準が続いており、年内の供給過剰懸念も浮上しています。
今後の展望
コモディティ市場全体で注視すべきは、米国の金融政策と地政学リスクの二大要因です。
金市場は米FRBの姿勢が最大のポイント。インフレ率が依然として目標の2%を大きく超えている中、タカ派的な金融引き締めが長期化する可能性があります。もし利上げが現実化すれば、年内の4,000ドル割れも視野に。逆に景気減速懸念が強まれば、安全資産としての金需要が戻る可能性もあります。
原油は現在の平和交渉がカギです。万が一合意が破談すれば、中東不安が再燃し、バレル100ドル超への急騰もあり得ます。ただし市場予想では2027年には供給過剰に転じるとも言われており、構造的な下押し圧力も存在します。
両市場とも短期の値動きが非常に大きい局面です。投資判断には最新の経済指標と地政学ニュースを常にチェックする慎重さが必要です。
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