サマリ
金相場は1グラム当たり約2万2,000~2万3,000円で推移し、歴史的高値からの調整局面が続いています。一方、原油はWTI指標で1バレル当たり約70ドル付近まで下落。中東情勢の緩和と米国金利上昇により両商品とも売り圧力が優勢です。
詳細
金価格の動向
金相場は2026年3月に国内店頭小売価格が29,969円という歴史的高値をつけましたが、その後調整が進んでいます。6月27日現在、1グラム当たり約2万2,000円台で推移しており、年初来では約5%の下落。ただし、2024年6月の16,071円と比べると依然として40%以上高い水準を保っています。
金価格を押し下げている主な要因は、米国長期金利の上昇です。利息を生まない資産である金は、国債利回りが上昇すると相対的な魅力が低下。さらに米ドルが強含みになっていることも、ドル建てで取引される金を割高にしています。また、5月下旬の米国・イラン停戦交渉進展報道により、地政学リスク需要が一服しているのも売り圧力につながっています。
一方で長期的には、金相場を支える下支え要因も存在します。中央銀行による継続的な金買い増しが最大の支援材料。さらに世界的なドル離れの流れやインフレ懸念も、中長期的には金需要を支え続けるとの見方が大勢です。2026年末に1グラム当たり3万円を目指すとの予測もあります。
原油価格の動向
原油はWTI指標で、2月のイラン攻撃時には160ドル超まで上昇しましたが、現在は1バレル当たり70ドル前後の水準まで下落。戦前の水準近くまで回帰しています。5月の米国・イラン平和交渉進展で供給懸念が薄らぎ、ホルムズ海峡の通航が正常化に向かっていることが主な要因です。
ただし落ち着きの中にも注意点があります。オマーン沖での船舶被撃事件など局地的な安全保障懸念は残存。また、米国の原油在庫が運用要件を下回る1,900万バレルまで減少しており、逼迫感は続いています。サウジアラビアやカタールは3月以来初めて、積極的にペルシャ湾からの輸出を再開しています。
今後の展望
コモディティ市場全体を見ると、今後数ヶ月は不確実性が高い環境が続きそうです。
金については、短期的には米国金融政策の動向がカギとなります。FRBが9月の利上げ確率を約63%と織り込んでいる状況下では、さらなる上昇圧力が続く可能性。ただし長期的には、世界の地政学リスク、インフレ圧力、円安進行といった構造的要因が金買い需要を支え続けるとの見方が有力です。
原油については、2026年の世界的供給過剰が想定される中、需給バランスが価格の分岐点になります。ホルムズ海峡が夏まで本当に開放されたままなら、さらに下押し圧力が強まる可能性も。一方で地政学リスクが再び顕在化すれば、急騰のリスクも常に存在しています。
投資家にとって重要なのは、両商品とも「長期」と「短期」を分けて判断すること。日本の経済環境では円安によって両商品の実質的な国内価格は、ドル建て価格以上に高まる傾向があるため注意が必要です。
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