2026年06月12日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
6月11日時点で金価格は1グラム当たり約22,881円と前日比で続落しました。一方、原油価格は米・イラン間の軍事情勢の緊迫で約88~91ドル/バレル付近で推移しており、相反する値動きが顕著です。市場では米国の金融政策判断と中東情勢の先行きが注目されています。
詳細
金価格の動向と背景
金相場は2026年1月に1グラム当たり3万円を超える過去最高値を記録した後、調整局面が続いています。6月11日時点では約22,881円と、5月中旬比で大きく下落しました。下落の主な要因は3つあります。
第一が「利益確定売り」です。短期間での急騰により、投資家が得た利益を現金化する動きが活発化しました。第二が米国の長期金利上昇です。金は利息を生まないため、国債利回りが高まると相対的な魅力が低下します。実際、米10年債の利回り上昇を背景に売り圧力が強まっています。
第三が地政学リスク緩和の期待です。米・イラン間の停戦交渉進展を受けて、「有事の金買い」需要が後退しました。ただし、中央銀行による構造的な金購入需要は依然として堅調です。アメリカのインフレ懸念からドル高が進み、ドル建て金の相対的な不利さが増しています。
原油価格の動向と背景
原油価格は2026年2月の米・イラン軍事衝突以降、大幅に上昇しました。ドバイ原油はイラン攻撃前の70.7ドル/バレルから一時169.8ドルまで急騰し、140%の上昇を記録しました。6月時点では約88~91ドル/バレル付近で推移しており、高止まり傾向が続いています。
価格上昇の背景には「需要回復と供給制約」が挙げられます。2024年の世界経済回復により原油需要が持ち直した一方で、産油国は急激な増産を控えました。これに加えて中東地域の緊張がホルムズ海峡の実質的な封鎖を招き、供給不安心理を強めています。
また、米国の原油在庫が7週連続で減少するなど、需給の引き締まりが顕在化しています。ただし、米軍によるイラン攻撃の一時的な完了により、直近の上昇ペースはやや鈍化しています。
今後の展望
コモディティ市場全体の見通しは「ボラティリティ(値動きの幅)の拡大」が特徴です。金と原油の値動きが対照的になっている理由は、金融政策への思惑の違いにあります。インフレ懸念からの利上げ観測が金価格に下押し圧力をかけ、同時に原油相場を支えているためです。
金相場は中長期では上昇圧力が続くとの見方が優勢です。各国中央銀行による脱米ドル化とポートフォリオ分散の動きが、基本的な支え材料として機能し続けるでしょう。ただし短期的には、6月16~17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の判断が重要な転機になります。
原油相場は供給不安と需要動向が綱引きする状況が続きます。中東情勢の落ち着きが続けば段階的な価格低下も考えられますが、地政学リスクの再発で再び上昇する可能性も内在しています。米国のエネルギー長官がホルムズ海峡の原油輸出が増加していることを述べており、若干の緩和傾向も見えます。ガソリン代や電気代の上昇を通じて家計に直結する価格である点、投資家は継続的な注視が必要です。
