2026年05月31日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
金相場は5月29日時点で1グラムあたり25,105円と高値圏を維持しています。一方、WTI原油は約87ドル/バレルと、5月中旬からの中東情勢緩和期待に伴い大幅下落中。中東紛争の停戦交渉進展が両者の値動きを左右する局面が続いています。
詳細
金価格の動向
金相場は歴史的な高値圏での推移が続いています。2026年初頭には一時3万円/gを超える過去最高値を記録しましたが、その後利益確定売りの圧力を受けて調整局面に入りました。
5月の金価格は乱高下の連続でした。月初の25,900円/g付近から、5月4日の中東情勢緊迫化で4,530ドル/オンス台まで下落。しかし、米・イラン停戦報道を受けた5月6日には4,690ドル台まで急反発するなど、地政学的リスクに極めて敏感な値動きを示しています。
5月28日時点の国内金価格は25,294円/gと、年初ピークからは約13.6%の調整幅となっていますが、過去5年平均と比べると依然として高い水準を保持しています。
原油価格の動向
WTI原油は5月に入ってから急速に下降しています。月の変動幅は極めて大きく、ピークは中東情勢緊迫化時の4月レベルで、その後の停戦期待で約12~17%の月間下落が見込まれています。
5月29日現在、WTI原油は87.2ドル/バレル付近と6週間ぶりの安値を更新。米・イラン間で停戦延長(60日間)の暫定合意が報道されたことが主因です。ただし、トランプ大統領がまだ最終承認を保留しており、イラン側の正式認定も得られていないため、なお不確実性が存在します。
原油相場はホルムズ海峡の重要性を改めて示しています。世界石油流通の約5分の1がここを通過するため、その航行自由の確保が価格を大きく左右する構図です。
今後の展望
コモディティ市場全体としては「有事のリスク」が相場形成の最重要要素になっています。中東情勢が歴史的な岐路にある中、停戦交渉がどこまで進むかで、以降の相場が決まります。
金については構造的な上昇圧力が続くと見られています。中央銀行による金準備の増加や、インフレヘッジとしての需要が基盤となり、米ゴールドマン・サックスは2026年末時点で5,400ドル/オンスに達すると予想しています。現在の高値圏での利益確定売りはあっても、長期的には上昇トレンドが継続する公算が大きいです。
一方、原油は供給不安の緩和によって調整の可能性が高まっています。ただし、完全な復旧には時間がかかるため、従来と異なる需給構造が当面は続くでしょう。米国の金利政策決定も、両コモディティの値動きに影響を与える重要な要素です。
今後の注視ポイントは以下の3点。①米・イラン停戦協議の最終決着、②米FRBの金融政策方針、③ドル円相場の推移。特に金は円建て相場なので、為替変動も無視できません。投資家には、短期的なボラティリティに惑わされず、中長期的な需給構造の変化を見極める視点が求められます。
