2026年07月02日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
金価格は1オンス4,000ドル付近での攻防が続き、約8か月ぶりの安値水準に進みました。一方、原油は米・イラン和平交渉の進展で第2四半期に30%の大幅下落を記録。両市場とも調整局面にあり、今後の金利動向と地政学リスクが重要なポイントになります。
詳細
金価格の現況と調整要因
国際的な金価格は1オンス4,000ドルを下回る水準で推移しており、直近では調整圧力が強まっています。これは2026年初の過去最高値4,600ドル超から大きく下落した状況です。国内でも金の店頭小売価格は6月1日時点で1グラム約25,758円となり、1月の高値3万0248円からの下げが目立ちます。
この下落の主要な要因は米長期金利の上昇です。金は利息を生まない資産のため、米国の金利が上がると相対的な魅力が低下します。さらに米金利上昇はドル高につながり、ドル建てで取引される金の割高感が生まれることも押し下げ圧力になっています。
加えて、2月から続く米・イスラエルとイランの地政学的緊張が4月以降に緩和し、中東情勢の改善観測が広がったことも、金の安全資産としての買い需要を減らしています。市場は現在、4,000ドルをめぐる攻防に注視しており、この水準以下への下落か反発かが次のポイントとなります。
原油価格の劇的な下落と今後
原油はより劇的な下落を見せています。第2四半期(4月~6月)に約30%の下落を記録し、これは2020年以来最大の四半期下落です。WTI原油は現在、1バレル約69~70ドル前後で取引されており、数か月前の117ドル超からの急落ぶりが伝わります。
下落の直接的な理由は、米・イラン間の和平交渉の進展です。ホルムズ海峡での交通制限が解除され、イランが出荷を再開したことで供給懸念が後退しました。さらに、ロシア産原油の輸出が記録的水準まで増加し、世界の供給過剰懸念が強まっています。これに加えて、かつての高値で抑制されていた需要が回復基調にあるため、価格の下方圧力が継続しているのが現状です。
今後の展望
コモディティ市場全体を見ると、来月以降の展開は米国の雇用統計と金融政策が鍵を握ります。もし6月の雇用統計が強気な数字を示せば、米金利引き上げ期待が高まり、金と原油の双方に下げ圧力がかかる可能性があります。逆に経済指標が弱ければ、金利据え置き観測が広がり、金の買い戻しも考えられます。
長期的には、金は依然として中央銀行による買い増しや構造的な投資需要に支えられている点が重要です。一時的な調整局面にありますが、インフレヘッジ・安全資産としての位置付けは変わらない見通しです。一方、原油は供給過剰が解消されるまで、現在の低水準が続く可能性が高いと言えます。投資家にとっては、短期の値動きと長期のトレンドを分けて考える慎重な対応が求められる局面が続きそうです。
