2026年05月29日の株式市場動向まとめ
サマリ
日本株は5月25日に6万5158円で3ヶ月ぶりの最高値を更新した後、5月28日は利益確定売りで下落。米国株は地政学リスク緩和とAI関連企業の堅調な業績を背景に、S&P500が7500付近へ上昇予想。両市場ともAI・半導体セクターが主導権を握りながら、調整局面との綱引きが続いています。
詳細
日本株の現状分析
日本株は過去最高値圏での推移が続いています。5月7日に日経平均株価は前営業日比3320円高という過去最大の上げ幅を記録し、終値で6万2833円に達しました。その後も上昇が続き、5月25日には初めて6万5000円台を突破して6万5158円で取引を終えています。
この上昇の背景には、連休中の米国でAI・半導体株が上昇した流れが国内に波及したことが大きく影響しています。4月下旬から5月初旬にかけての日経平均の上昇率は実に4銘柄の半導体関連企業が主因となり、TOPIXを12ポイント上回っています。
5月28日は利益確定売りが優勢となり、下落に転じました。株式新聞の報道によれば下落幅が1000円を超える局面も見られています。この調整は健全な動きとも言え、過度に期待が織り込まれたAI・半導体関連銘柄から、出遅れていた大型株へのシフトが期待されます。
野村證券は日経平均株価の2026年末見通しを63,000円に上方修正しました。TOPIXは4000に据え置かれており、今後はTOPIXによる追い上げが注目されます。
米国株の現状分析
米国株は堅調な推移を続けています。5月下旬のS&P500は7500付近での推移が予想されており、多くの証券会社が年末目標を7200~7500の水準に設定しています。これは過去30年の平均的な上昇率の維持を意味するもので、市場参加者の楽観的な見方が反映されています。
5月第1四半期決算では、S&P500採用企業の約84%がポジティブサプライズを記録し、過去10年の平均76%を上回りました。企業業績は市場の見通しに比べて堅調であることが確認されています。特に情報技術セクターのEPS成長率は30.4%と、他のセクターを大きく上回る見通しです。
中東情勢の緩和観測を背景に、原油価格が低下する中でエネルギー関連銘柄の重しが軽くなりました。5月22日には米イラン戦闘終結に向けた交渉が進展するニュースが好感され、航空株などが大きく買われています。
ただし、5月下旬の金利上昇や、AI関連企業への期待値が現実的な水準に調整される可能性には引き続き注意が必要です。特にエヌビディアなど大型ハイテク企業の決算が相場変動の重要な分岐点となります。
今後の展望
日本株と米国株ともに、6月から第3四半期にかけては、金利動向とAI関連企業の利益成長が最大の焦点となります。米国ではパウエルFRB議長の任期が5月で終了し、新議長の金融政策スタンスが相場を左右します。ハト派的な新議長の登用が予想される場合、利下げ期待が高まり株価を下支えする要因になる見通しです。
日本では日銀の金利上昇が引き続き意識されています。2026年度の企業業績について、全体の69%の企業が経常増益を見込んでいる一方、増益幅は1桁台前半が多いとのこと。円高進行による輸出関連企業への悪影響と、内需株の割安感出現のバランスが相場を支配します。
短期的には調整局面を警戒する必要がありますが、中期的には脱デフレと企業の稼ぐ力の強化が株式相場の上昇要因として機能すると予想されます。特にAI・半導体セクターから非ハイテク・セクターへの資金シフトが進めば、より広がりのある株高が実現する可能性があります。投資家は押し目での優良銘柄の買い増しと、ポートフォリオの分散を重視する戦略が有効といえるでしょう。
