2026年05月24日の国内・世界経済ニュースまとめ
サマリ
日本経済は1~3月期に年率2.1%のプラス成長を達成し、堅調な回復基調を継続しています。しかし世界的には中東情勢の悪化に伴う原油価格上昇がインフレ懸念を強め、各国で成長見通しが下方修正されています。政府は3兆円規模の補正予算で対応する方針です。
詳細
国内経済~回復続く一方、インフレ圧力に注視
1~3月期の実質GDP成長率は前期比年率2.1%と、2四半期連続のプラス成長となり、個人消費や設備投資が増加を維持、輸出も高い伸びを見せています。製造業PMI(購買担当者指数)も55.1と景気拡大を示唆するレベルにあり、5月21日時点での4月貿易収支は667億円の大幅黒字と、対外取引が改善しています。
懸念材料は物価上昇です。イラン情勢悪化に伴う資源価格の高止まり、ナフサ高を通じた包装資材や物流費、加工食品価格への波及、電気・ガス代の上昇圧力がかかり、26年度の消費者物価指数(コアCPI)は2.5%と前回見通しから上方修正されました政府は中東情勢の悪化に対応して、2026年度の補正予算案の規模を3兆円程度で調整しており、中東混乱への特定目的予備費を2.5兆円ほど計上する予定です日本銀行は物価安定を重視し、26年度に2回、27年度に1回利上げを実施し、政策金利を1.5%へ引き上げると予想されています。
為替・株価~円安が継続、株式は調整局面
円相場は依然として円安圧力が強い状況が続いています。日本円は1ドル159円を超えて推移しており、4月末から5月初めにかけて日本当局が介入した1ドル160円の重要水準に近い状態が続いています。
株価については、中東情勢の不安定性を背景に調整が入っています。5月20日時点で日経平均は5万9800円台で推移し、3週間ぶりの6万円割れとなるなど、金利上昇がリスク回避姿勢を強めています。
世界経済~成長減速、中東リスク高まる
米国経済は堅調に推移していますが、先行きは中東情勢不安定化に伴うエネルギー価格上昇が景気下押し圧力となり、AI関連投資がけん引する形で堅調さを維持するとみられています。26年の成長率は前年比2.1%と予測されていますユーロ圏は緩やかに持ち直していますが、中東情勢不安定化の悪影響が生じており、エネルギー集約型産業を中心に経済活動が下押しされるでしょう。26年の成長率は前年比0.8%と予測されています国連経済社会局は2026年の世界経済成長率を2.5%、2027年を2.8%と予測しており、前回予測からそれぞれ0.2ポイント、0.1ポイントの下方修正となっています。
今後の展望
日本経済は構造的には堅調ですが、外部環境の悪化が下押し要因です。重要なのはイラン情勢の行方で、早期に沈静化すれば原油価格も段階的に低下し、秋以降の景気持ち直しが期待できます。一方、情勢が長期化すればスタグフレーション(成長鈍化と物価上昇の併存)リスクが高まります。
政策当局の対応も注視点となります。政府による電気・ガス代補助や3兆円の補正予算は家計負担を軽減する効果が期待されます。日銀は物価動向を慎重に見極めながら、段階的な利上げを進める見通しです。また円相場については、日米金利差が今後の鍵を握り、160円を超える過度な円安は当局の介入対象になる可能性があります。
世界的には、米国経済の底堅さが支えになる一方、欧州や新興国での減速が世界成長率を押し下げる構図が続くと予想されます。中東情勢の早期改善と企業のコスト転嫁が一巡することが、経済全体の正常化へ向けた重要なターニングポイントになるでしょう。
