今からでも間に合う!サクッとデザインシンキング講座(初心者編)第11回:人に使ってもらって学ぶ
はじめに
さあ、第11回の講座の内容にまいりましょう。ここまでよく歩んでこられましたね。アイデアを形にする喜びを、少しずつ感じていただけているでしょうか。今回はいよいよ、作ったものを「実際に人に触ってもらう」という、とても大切な一歩を踏み出します。頭の中で考えるだけでは見えなかった世界が、きっと目の前に広がりますよ。どうぞ、楽しみながら読み進めてくださいませ。
サマリ
自分が作ったアイデアや試作品を、実際に人に使ってもらうことで、思いがけない発見が生まれます。今回は「テスト」と呼ばれるこのステップを、怖がらずに楽しむためのコツをやさしくお伝えします。失敗を恐れず、人の反応から学ぶことが、より良いアイデアへの近道です。
詳細
「テスト」って何をするの?
デザインシンキングの世界では、作ったものを人に試してもらうことを「テスト」と呼びます。といっても、学校のテストとは全然違います。正解を求めるのではなく、「使ってみてどうだった?」という感想や反応を集めるのが目的です。
たとえば、新しいお弁当箱を考えたとしましょう。自分では「これは使いやすい!」と思っていても、実際に友人に使ってもらうと「フタが開けにくい」という声が出てくるかもしれません。その声こそが、次の改良のヒントになるのです。
なぜ「自分だけで考える」では足りないの?
私たちは自分のアイデアを、どうしても「よいもの」と思いがちです。それは当然のことです。でも、使う人はあなたではなく、別の誰かです。
人はそれぞれ、生活習慣も考え方も違います。自分には当たり前のことが、相手には不思議に見えることもあります。だからこそ、実際に使う人の目線を借りることが必要なのです。
「人に見せるのが怖い」という気持ち、よくわかります。でも、テストの目的はアイデアを批判することではありません。もっとよくするためのヒントを一緒に探すことです。
テストをうまく進める3つのコツ
まず一つ目は、「完成品でなくていい」ということです。紙に書いたものや、段ボールで作ったざっくりした模型でも十分です。早い段階で試すほど、修正がラクになります。
二つ目は、「黙って観察する」ことです。使い方を説明しすぎると、本当の反応が見えなくなります。相手がどこで迷うか、どこで笑顔になるかを、静かに見守りましょう。
三つ目は、「なぜそう感じたか」を聞くことです。「使いにくかった」だけでは情報が少ないです。「どの部分が?」「どうなっていたらよかった?」と掘り下げると、宝のような気づきが得られます。
テストで出てきた「想定外」を喜ぼう
テストをすると、必ずといっていいほど「想定外」の反応に出会います。それは失敗ではありません。むしろ大切な発見です。
あるお菓子メーカーが新商品を試作したとき、子どもたちは袋を開ける前に「パリパリ音を鳴らして遊ぶ」ことに夢中になりました。開発チームは驚きましたが、その気づきをもとに「音が楽しい袋」という新しい価値を商品に加えたそうです。
想定外の反応こそ、あなたのアイデアをもっと豊かにしてくれる贈り物なのです。
テストは「繰り返す」ものです
テストは一度やれば終わり、ではありません。試して、気づいて、直して、また試す。この繰り返しがデザインシンキングの大切な考え方です。
料理のレシピも、一回目より二回目、二回目より三回目のほうがおいしくなりますよね。アイデアも同じです。何度も人に使ってもらいながら、少しずつ磨いていくのです。
「まだ完成じゃないから見せられない」という気持ちは、一旦わきに置いておきましょう。未完成だからこそ、修正できる余地があります。それはとても豊かなことなのです。
おわりに
人に使ってもらうという体験は、最初は少し勇気がいるかもしれません。でも一度踏み出してしまえば、思ったよりずっとあたたかく、楽しいものですよ。人の反応の中に、あなたのアイデアをもっと輝かせる種が必ず眠っています。どうか怖がらず、軽やかな気持ちで試してみてくださいませね。次回の第12回では、「チームで考えるメリット」についてお話しいたします。一人では気づけないことが、仲間と一緒だとどれだけ豊かに広がるか、どうぞお楽しみに。
