【ハルキゲニ男の未攻略ゲーム愛】2026年09月06日の気になる1本
今日の1本
…ハルキゲニ男です。気になるゲームを紹介します。今日紹介するのは、『クトゥルフ神話TRPG』(Call of Cthulhu)だ。ジャンルはTRPG——テーブルトークRPG。ホラー・ミステリー系の傑作なんだ。初版は1981年、アメリカのケイオシアム社から発売された。日本語版は長くアークライトとKADOKAWAが手がけており、現在の最新版は第7版、日本語版は2019年に刊行されている。略称はCoC。知っている人は知っている。TRPGをやる人間なら一度は名前を聞いたことがあるはずだ。
どんなゲーム?
このゲームの原点は、20世紀アメリカの作家H・P・ラヴクラフトが1920年代に書いた怪奇小説群——いわゆる「クトゥルフ神話」の世界観だ。プレイヤーは「探索者」と呼ばれる一般市民を演じ、進行役のキーパー(KP)が語る怪異の謎を調査していく。
このゲームで特筆すべきは、「SAN値(正気度)」というシステムなんだ。探索者は戦士でも英雄でもない。普通の人間だ。モンスターを倒して強くなるゲームではない。神話の真実に近づくほど、正気を失っていく。それがこのゲームの核心なんだ。狂気に陥ると妄想や恐怖症が発症する。場合によっては死より恐ろしい「廃人」という結末が待っている。
登場した当時、ファンタジーTRPGが主流だった時代に、「プレイヤーキャラクターは非力な一般人で、化け物に打ち勝つことは基本的にできない」というゲームが現れたことは、ジャンルとして画期的な出来事だったんだ。
ゲニ男が気になる理由
このゲームが40年以上愛され続けている理由は、単純だ。「恐怖」と「物語」の設計が、他に類を見ないレベルで洗練されているからなんだ。
ラヴクラフトの小説が持つ「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」——人間の理性では到底理解できない存在への恐れ——を、ゲームのメカニクスとして再現した点が、ずっと引っかかっている。SAN値という数値が減っていくことで、「理解してしまうほど壊れていく」という感覚をプレイヤーが実際に体験できる。これは文学的なテーマをゲームに落とし込んだ発明だと思うんだ。
それに、シナリオの幅が異常に広い。1920年代のアメリカを舞台にしたクラシックなホラーから、現代日本を舞台にした「現代もの」まで、世界観の外枠だけ借りれば何でもできる。ニコニコ動画でリプレイ動画が流行した2012年以降、日本で一気に広まったのも、そういった間口の広さゆえなんだ。シナリオを書く人間も多く、今も二次創作のシナリオが膨大に存在している。底が見えない。
こんな人にやってほしい
ホラー映画や怪奇小説が好きな人は、まず間違いないはずだ。ミステリーや推理もの、謎解き系が好きな人にも刺さる。それから、ゲームの中で「物語を作る」という体験に興味がある人——TRPGに興味はあるけれど踏み出せていない人にも、このゲームは入りやすい一本だと思う。
クイックスタートルールは無料公開されており、まず試してみることもできる。プレイヤーが2〜3人いれば始められる。難しく考えなくていい。会話しながら、一緒に恐怖を体験するゲームだ。正気を失っても、それが物語になる。
やってみる価値はある。…以上。
