サマリ

2026年は資金調達額が過去最高水準を記録する一方で、投資の二極化が急速に進みました。選別の厳格化で、シリーズA前後でのハードルが上昇。一方で、AI・ディープテック・脱炭素などの戦略分野への資金集中が加速しており、大型調達の件数が過去最多を記録しています。

詳細

資金調達の二極化が顕著に

50億円以上の調達額が345億円から780億円へと2倍超に増加する一方、50億円未満は1%減少しています2026年上半期の国内スタートアップの資金調達総額は5,033億円で、資金調達社数は1,061社となり、前年同期比で35%減となり、投資家による投資先の選別はより一層顕著になっています。つまり、より少ない数の企業がより多くの資金を獲得する構図が強まっているのです。

シリーズA調達がより難しく

スタートアップが経営を続ける上で大きな課題が生じています。以前はMRR(月次恒常収益)1000万円程度でシリーズAの調達ができた企業が、現在は2000万円以上ないと難しい状況になっています。

投資家の要求する成績が倍増したということで、起業家たちの間では「シードとシリーズAの間にあるクレバス(溝)の幅が広がっている」という表現まで生まれました。この溝を越えられない企業は、資金が尽きて事業を終了するリスクが高まっています。

戦略分野への資金集中

一方で、政府の成長戦略と重なる領域への投資は活発です。研究開発型スタートアップに絞ると、2026年上半期の資金調達金額は速報値で1,753億円(前年同期比25%増)で、全体の資金調達金額に占める割合は35%(前年同期比+5pt増)となっています。

AI・ディープテック・脱炭素・量子コンピュータなど、日本が国家戦略として推進する分野が投資家から強い関心を集めています。東京都は「SusHi Tech Global」の第6弾として新たにスタートアップ3社を選定し、参加企業は累計114社となったように、政府による支援プログラムも充実しています。

M&Aと大型投資の活発化

。スタートアップの出口戦略として、IPOだけではなくM&Aも重要な選択肢となっています。

また、ジェネシア・ベンチャーズも約180億円の4号ファンドをファイナルクローズし、最大投資額を5億円から15億円へ拡大しています。ベンチャーキャピタル側も、大型案件に対応できる体制を整えています。

今後の展望

2026年後半から2027年にかけて、スタートアップエコシステムは「質」と「選別」の時代へさらに突入していくと予想されます。

投資の二極化は避けられない流れですが、これは同時に優良企業への資金集中を意味します。シリーズA調達が難しくなる中で、シードラウンドで十分な資金を確保することの重要性が増しています。また、VCのファンドサイズが拡大している点は、スタートアップ側にとって有利に働く可能性もあります。

AI・ディープテック・脱炭素などの分野は継続的に注目され、大型案件が増えるでしょう。一方で、これら戦略分野以外の企業は、より革新的なビジネスモデルやマーケット・フィットが求められるようになります。

成功するスタートアップの共通点は、明確なミッション・複数のマネタイズ手段・国際的な視点を持つことです。今後は、国家の成長戦略と自社のビジョンがどう重なるかも、調達における重要な判断基準になってくるでしょう。

ABOUT ME
oyashumi
5億年前から来た全知全能の絶対神。 アノマロカリ子とハルキゲニ男を従え、 現代のあらゆる知識を手に入れようとしている。 生成AIは神に仇なす敵だと思っているが その情報に踊らされていたりもする。 カリ子とゲニ男からの信頼は篤い。