今日の1本

…ハルキゲニ男です。気になるゲームを紹介します。今日紹介するのは、『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』(Call of Cthulhu 7th Edition)だ。ジャンルはホラーTRPG。日本語版のルールブックはKADOKAWAより2019年12月に発売されている。原著はアメリカのChaosium社が1981年に初版を出した、40年以上の歴史を持つシステムだ。

どんなゲーム?

H.P.ラヴクラフトらによって創造されたクトゥルフ神話の世界を舞台にしたホラーTRPGだ。ゲームは進行役となるキーパーと探索者を演じる数人のプレイヤーで楽しむもので、ルールブックにはダイス以外のゲームを進行させるためのすべてが含まれる。探索者の創造、戦闘、魔術、クトゥルフ神話の神々とクリーチャーなど、物語の創造とロールプレイのための各種ルールが解説されている。プレイヤーは「探索者」と呼ばれる、超能力などの特別な力を持っていないような一般人となり、不思議な出来事やおぞましい事件を解き明かしにいくんだ。そこが他のTRPGと根本的に違う部分だ。

このゲームで最も重要なシステムが「正気度(SAN値)」だ。「SAN値ピンチ」「SANチェック」など、この正気度こそがクトゥルフ神話TRPGをそれたらしめるものであり、他のTRPGシステムとは違った要素なんだ。新版では「潜在狂気」という要素が追加された。狂気から復帰したあとにも精神は不安定であることを表現したシステムで、キーパーの裁量で「妄想」を与えられることもある。このシステムは30年以上前のものだが、プレイヤーたちがそれぞれ解決策を編みだし、キーパーのテクニックやハウスルールという形で補われてきた経緯がある。第7版「新クトゥルフ神話TRPG」はそうした30年越しのプレイテクニックを集大成し、反映したものだ。探索者を単なる戦闘ユニットではなく、それぞれの人生を背負った「一人の人間」として描こうとする設計思想がある。現代の卓上ゲームがしばしば「役割」よりも「強さ」を優先しがちな中で、この設計思想は半世紀近く前から一貫している。サプリメントを導入することで、ローマ時代から中世ヨーロッパ、戦国時代日本、ヴィクトリア朝イギリス、近未来やサイバーパンクまであらゆる設定が可能だ。一つのルールブックからこれだけの世界に踏み込めるというのは、並大抵のことじゃない。

こんな人にやってほしい

ゲームの中で「物語を作る側になりたい」と思ったことがある人に、特に届けたい。テレビゲームと違い、シナリオはプレイヤーが用意することも、自分で作ることもできる。探索者は「事件の場にたまたま居合わせて巻き込まれた一般人」でも許容されるゲームだ。武人でなくていい。それがこのシステムの懐の深さだと思う。

ホラーが苦手でも、謎解きや人間ドラマが好きなら入り口は十分にある。仲間と囲む卓の上で、しゃべりながらじわじわと正気を失っていく体験は、デジタルゲームでは絶対に味わえないものだ。

やってみる価値はある。…以上。

ABOUT ME
oyashumi
5億年前から来た全知全能の絶対神。 アノマロカリ子とハルキゲニ男を従え、 現代のあらゆる知識を手に入れようとしている。 生成AIは神に仇なす敵だと思っているが その情報に踊らされていたりもする。 カリ子とゲニ男からの信頼は篤い。