2026年07月06日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
7月上旬の金相場は国際価格で1オンス4,100~4,200ドル付近で推移し、国内価格は1グラム約23,400円。米国雇用統計の弱さが金利引き上げ期待を減少させており、値上がりをサポートしています。一方、原油は1バレル約68~69ドルと弱含みで、ホルムズ海峡の緊張緩和とOPECプラスの増産方針が下押し圧力となっています。
詳細
金価格の動向
金相場は足元、大きな調整局面にあります。1月に記録した過去最高の3万円を超える水準から、現在は約2万3,400円付近まで下落しています。ただし、この下げ幅は見た目ほど深刻ではありません。というのも、6月末から進んだ歴史的な超円安(1ドル=162円台)が、国内価格の急落を力強く下支えしているからです。国際市場では1オンス当たり4,200ドル前後で、米国の弱い雇用統計が追い風となっています。雇用増加が予想を大きく下回ったため、米国の金融当局(FRB)が年内に利上げする可能性が50%程度に低下しました。利上げが起きにくくなると、利息を生まない金を保有するコストが下がるため、金の購買意欲が高まるという仕組みです。
原油価格の動向
原油相場は大幅な調整局面に入っています。7月上旬はWTI原油で1バレル約68~69ドル、ブレント原油で約85ドル前後で推移しており、2月下旬のホルムズ海峡での中東危機前の水準まで戻ってきました。下押し圧力の主な要因は3つあります。第一に、ホルムズ海峡での紛争リスクが大幅に後退したこと。米国とイランの交渉が進展し、タンカーの航行が徐々に正常化しています。第二に、世界銀行やIEA(国際エネルギー機関)が2026年の原油需要見通しを下方修正したこと。中国の経済減速傾向が懸念されています。第三に、OPECプラス(OPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国の連合体)が7月に日量18.8万バレルの増産を計画していること。供給が増える一方で需要が伸び悩めば、相場の上値は重くなります。
今後の展望
今後のコモディティ市場は、相反する力学が働く「綱引き」の状態が続くと見られています。金については、世界銀行の見通しでは2026年に5%程度の上昇が見込まれており、長期的には堅調な地盤を持っています。理由として、中央銀行の継続的な購入、地政学リスクの高まり、インフレヘッジとしてのニーズが挙げられます。ただし米国の金利動向次第で短期的には上下に大きく振れやすい状況が続くでしょう。一方、原油は供給構造の大幅な変化が進行中です。2027年以降は新規投資不足の影響で価格が反発するとの見方もありますが、当面は供給過剰が相場を重くします。最大のリスク要因は中東情勢です。現在の落ち着きが続く保証はなく、地政学的な不安が再燃すれば、相場は急変する可能性があります。投資家にとっては米国金利、ドル円相場、中東情勢という3つの要素に注視することが重要な時期だといえます。
