2026年05月17日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
5月中旬の金価格は1グラム当たり26,145円付近で推移し、高値圏を維持しながらも調整局面にあります。一方、原油はホルムズ海峡の地政学リスクを背景に1バレル103~104ドルで強張しており、両者とも不確実性が高い状況が続いています。
詳細
金価格の動向と要因
国内の金価格は記録的な高値から調整を進めています。2026年1月末に1グラム当たり3万円超を記録したピークからは、約13%程度下落している状況です。5月15日時点での店頭小売価格は1グラム26,145円と、依然として過去の水準と比べて高い価格帯を維持しています。
短期的な値動きが大きくなりやすい局面が続いており、その背景には複数の要因があります。4月下旬には利益確定売りが連鎖し、一時的な下落をもたらしました。これは急騰した相場の過熱感に対する健全な調整と見られています。
金価格を左右する主要な要素は、米国の金融政策・ドル相場・中東情勢です。インフレ懸念が高まると、米国の利上げ可能性が意識され、金の上昇機会コストが増加します。同時にドル安やホルムズ海峡情勢の緊張化は、金を安全資産として押し上げる傾向があります。
国際市場では金は1オンス当たり4,500ドル台で推移しており、ゴールドマン・サックスは2026年末に5,400ドルに達すると予想をしています。これは長期的には強気な見方を示唆しています。
原油価格の高騰と背景
原油市場はホルムズ海峡をめぐる地政学的緊張で大きく揺れています。WTI原油先物価格は5月中旬で1バレル当たり103~104ドルと、比較的高い水準で推移しています。
中東での紛争に伴い、ホルムズ海峡が事実上閉鎖された状態が続いています。3月と4月の流れでは、同海峡を通る原油と燃料の流れが約400万バレル/日減少しました。この供給制約が原油価格を支えている最大の要因となっています。
米国とイランの和平交渉が停滞する中、紛争の長期化懸念が市場心理を圧迫しています。米国のシェールオイル増産や迂回ルートの活用など、供給サイドの対応は進んでいますが、本格的な増産には最低半年の期間が必要とされており、2026年内は原油が高止まりしやすい環境が見込まれています。
今後の展望
両市場とも中東情勢と米国の金融政策が最大のカギを握っています。
金については、中央銀行による継続的な買い需要が堅固な下支え要因として機能すると予想されます。国際機関の脱米ドル化の動きが強まる中、各国当局による金の積み増しは2026年以降も続く見通しです。加えて、金採掘コストの上昇も供給面からの価格下支えになっています。短期的には米国の金利動向に左右されやすい状況が続きますが、中期的には高値圏での推移が想定されます。
原油については、ホルムズ海峡の航行安全性回復までの道のりが見えない状況にあります。野村證券の試算では、イラン情勢悪化を受けた2026年内のWTI先物価格は75~95ドルのレンジで推移しやすいと見込まれていますが、封鎖が長期化する場合には100ドルを上回る可能性もあります。供給制約の長期化は、ガソリンをはじめとするエネルギー関連産業に広範な影響を及ぼす懸念があり、スタグフレーション(景気停滞と物価上昇の同時進行)リスクが高まる可能性があります。
両コモディティともボラティリティが高い環境が当面続く可能性が高く、市場参加者は地政学リスクと金融政策に関する情報に注視する必要があります。
