サラリーマンの独立起業講座【初級編】第3回:事業計画書の作成手順
サマリ
事業計画書は起業成功の羅針盤です。融資申請や投資家への説明に必須となる書類ですが、実は自分自身の事業理解を深めるツールでもあります。本記事では、サラリーマンが初めて事業計画書を作成する際の具体的な手順を、わかりやすくお伝えします。
詳細
事業計画書とは何か
事業計画書とは、これから始めようとする事業の全体像をまとめた書類です。簡単に言えば「ビジネスの設計図」だと考えてください。
銀行から融資を受ける際に提出する重要な書類ですが、実はそれ以上に大切な役割があります。それは自分自身の事業に対する理解を深め、実行可能性を検証するプロセスです。
日本政策金融公庫の調査では、事業計画書を作成した起業家の約70%が、3年後の事業継続率が高いという結果が出ています。一方、計画書なしで起業した場合の継続率は約50%に留まります。つまり、計画書の作成が成功確率を大きく左右するわけです。
事業計画書に必須の7つのセクション
まず、事業計画書に含めるべき内容をご紹介します。ひな形を参考に、必ず以下の7つのセクションを盛り込みましょう。
1. 事業概要
あなたがどのような事業を行うのかを、1ページ程度で簡潔に説明します。何を売るのか、誰に売るのか、なぜそれが必要なのかをまとめます。
2. 起業動機・経営理念
なぜこの事業を始めようと思ったのか。あなたの想いや信念を述べます。この部分が曖昧だと、困難な時期に挫折する傾向があります。
3. 市場分析と競合分析
市場規模はどの程度か。競合他社は何社いるのか。あなたの強みは何か。客観的なデータに基づいて分析します。
4. マーケティング・販売戦略
どのような顧客をターゲットにするのか。どのチャネルで販売するのか。具体的な営業アクションプランを示します。
5. 組織体制と人事計画
初期段階では一人で始める場合もありますが、どのタイミングで誰を採用するのか。明確に記しておきます。
6. 財務予測(最重要)
初年度から3年間の損益計算書と貸借対照表、キャッシュフロー表を作成します。売上予測、必要経費、利益の見込みを数字で示します。
7. 資金計画
開業資金はいくら必要か。どのように調達するのか。月々の運転資金はどの程度必要か。詳しく記述します。
事業計画書作成の5ステップ
ステップ1:情報収集と市場調査
まずは業界のデータを集めます。経済産業省や業界団体の統計情報を活用してください。競合企業のホームページを見て、価格設定やサービス内容を調べることも重要です。最低1ヶ月間は継続的に市場を観察しましょう。
ステップ2:数字の積み上げ計算
売上予測は「客単価×月間客数」で算出します。例えば、月間訪問客数100人、1人当たりの平均購入額10,000円なら、月売上は100万円です。ここでは根拠のない楽観的な予測を避けることが肝心です。同業他社の実績を参考に、保守的な数字を心がけてください。
ステップ3:初期投資額の洗い出し
店舗や事務所の賃貸借料、内装工事費、設備購入費、初期の運転資金。開業に必要な経費を全て列挙します。通常、開業資金は月間の売上の3~6ヶ月分あると安心です。 ステップ4:シナリオの複数作成 ステップ5:第三者チェック サラリーマン経験者が事業計画書を作る際、よく陥る失敗パターンをご紹介します。 最も多いのが「売上予測の過度な楽観視」です。サラリーマンは組織に守られた環境にいたため、実際の営業難度を軽く見積もる傾向があります。初期段階では「市場規模×自社シェア」で計算するより、「一日あたりの実現可能な顧客数」から逆算する方が現実的です。 次に多いのが「固定費の過少評価」です。家賃、通信費、保険料などの毎月かかる費用を見落としがちです。リスト化して漏れのないようにしましょう。 そして「資金繰りの軽視」です。会計上は黒字でも、入金時期と支払時期がズレるとキャッシュショートする危険があります。特に仕入れが先払いの業種では注意が必要です。
最高のケース、中程度のケース、悪いケースの3パターンを想定しましょう。もし売上が予定の80%に落ち込んだ場合でも事業継続できるか確認します。
信頼できる経営経験者や税理士に見てもらいます。素人では気付かない矛盾や甘い想定が指摘されます。この外部チェックが精度を大きく高めます。サラリーマン起業家が陥りやすい落とし穴
