2026年08月11日の国内・世界経済ニュースまとめ
サマリ
8月第2週は日本株が堅調さを保ち、8月5日には日経平均が6万6,300円を超える高値を更新しました。一方、米国は雇用統計の弱さが浮き彫りになりつつも、相場は金融緩和期待で支えられています。中東の緊張緩和により原油が急落し、グローバルなリスク選好が強まっています。
詳細
国内経済の動き
日本株式市場は好調が続いています。8月5日の東京市場は大幅続伸し、日経平均は前日比3.66%高の6万6,300円44銭となりました。これは年初の5万338円から約7ヶ月で1万6,000円近い上昇を示しています。
推進力は海外市場の好調と円相場です。米国のNYダウがS&P500とともに最高値を更新し、欧州もDAXやCAC40が高値をつけました。中東の地政学リスク後退に伴う原油急落も、リスク選好の買いを促しました。
ただし注意も必要です。10年国債利回りは2.810%に上昇し、政策金利1.00%との差は181ベーシスポイント(金利差の単位、1%=100ポイント)まで広がっています。市場は今後の日銀による金利引き上げを織り込んでいるサインです。
また、楽天グループは1~6月期決算で携帯電話事業の赤字が続いており、独立採算の実現が遠のく見通しが示されました。
世界経済の動き
米国経済は雇用面で想定外の弱さが出ています。7月の非農業部門雇用者数は前月比2.3万人の減少となり、市場予想の8万人増を大幅に下回りました。さらに過去2ヶ月分も合計で10.3万人の下方修正がなされました。失業率は4.1%に低下しましたが、労働参加率の低下が背景で、雇用市場の改善とは判断しにくい状況です。
こうした弱い雇用統計により、FRBの9月の利上げ確率は約44%に低下しました。市場は「ソフトランディング」(景気の軟着陸)の可能性を再評価し、株・債券・ドル全てが買われる典型的な金融緩和期待の反応を示しています。
一方、中東情勢の緊張緩和は大きなプラス材料です。米国とイランの武力衝突が一旦沈静化し、エネルギー価格が落ち着きを見せています。トランプ政権が中東での強硬姿勢を軟化させる可能性も高まっており、先行きの不確実性が減少しています。
東南アジアのIPO市場も活況です。2026年上半期は件数が前年同期比30%減の35件でしたが、調達総額は85%増の25億米ドルに達し、大型案件への資金集中が進んでいます。
今後の展望
今後3ヶ月は複数の重要イベントが控えています。8月下旬のジャクソンホール会合では、世界の中央銀行総裁が政策運営を議論し、市場に大きな影響を与える可能性があります。米国では9月16日のFOMC決定が注目されており、弱い雇用統計の評価と今後の利上げペースが焦点です。
日本経済では国債利回りの上昇が続いており、債券市場の構造的な転換が進行中です。日銀による政策調整の時間軸が今後の株価を左右するでしょう。一方、グローバルなリスク選好が強まる中、日本株は輸出関連銘柄とAI関連銘柄のローテーションに注意が必要です。
懸念材料としては、高止まりするエネルギー価格がインフレ期待を揺さぶり続けていることです。8月12日の米国CPIが重要な指標となり、「ソフトランディング」か「スタグフレーション」(景気悪化と物価上昇の同時進行)かの判断を大きく左右します。
