2026年06月29日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
金価格は1オンスあたり約4,088ドルで推移し、年初来で約5%の下落を記録しています。米国の高いインフレと金利上昇が金の上値を押さえています。一方、原油はホルムズ海峡の海上交通再開に伴う供給増加を背景に、バレルあたり約69ドルまで下落。中東情勢の緩和が価格を圧迫しています。
詳細
金価格の動向
金は週末にかけて小幅な反発を見せましたが、全体的には調整局面が続いています。世界的には約4,040ドル水準で推移し、国内では1グラムあたり2万2,749円前後の買取相場となっています。1月の過去最高値(1トロイオンス=5,000ドル近傍)からの下落が目立ちます。
金価格が下落している主な理由は、米国の高いインフレが続いていることです。5月のPCE指数(個人消費支出デフレーター)が前年比4.1%に加速したため、米連邦準備制度理事会(FRB)は今後も金利を引き上げる可能性が高まっています。金利が上昇すると、利息を生まない金を保有する機会コストが増加するため、買い手に敬遠される傾向があります。
さらに利益確定売りも加速しています。投資家が昨年からの大幅な上昇益を確保しようとしており、200日移動平均線をサポートに下落圧力が続いています。
原油価格の動向
原油価格は大きく下落しており、WTI原油はバレルあたり約69ドル、OPECバスケットは約84.44ドルで推移しています。これは2月末以来の最低水準です。特に週ベースで10%以上の下落を記録し、1ヶ月間では最大の下げ幅となっています。
下落の主因は、米国とイランの和平合意に向けた進展です。ホルムズ海峡の海上交通が再開され、ペルシャ湾の輸出が戦争前の水準の約75%まで回復しました。中東の主要産油国も生産を増加させており、供給不安の後退が価格を押し下げています。
今後の展望
金と原油は異なる要因で動く傾向が見られます。短期的には、米国の高インフレと金利上昇が金価格の下押し要因となり続けるでしょう。FRBが年内に複数回の利上げを実施する確率は高いと市場は見込んでいます。
ただし長期的には、中央銀行の金購入ニーズや脱米ドル化の流れが金市場の支援材料として機能する可能性があります。また、今後の地政学的な不安や実質金利の低下があれば、金価格が反発する余地も残っています。
原油についても、中東情勢がさらに安定すれば供給は増加基調が続き、価格は低位推移が予想されます。ただし、地政学リスクの再燃や需要の想定外の伸びがあれば、急速な価格上昇もあり得ます。投資家は両コモディティともボラティリティ(値動きの激しさ)が高い状態に注意が必要です。
