サマリ
ドル円は161円台で推移し、38年ぶりの高値161円94銭を目指す局面が続いています。FOMCの強気姿勢と米インフレの粘り強さがドル買いを支える一方、日本の為替介入警戒感が上値を抑制しています。介入リスクと米金利上昇圧力の綱引きが当面の相場構図です。
詳細
ドル円(USD/JPY)
ドル円は目下161円台で取引されており、まさに歴史的な局面を迎えています。直近のドル円相場は強気相場が継続する中にもかかわらず、為替介入への警戒感が市場心理を複雑にしています。
先週のFOMCでは、FRBが政策金利を3.50~3.75%で据え置きながらも、2026年末のインフレ率見通しを前年比+2.7%から+3.6%へと大幅に上方修正しました。このタカ派的な決定が市場に年内利上げ観測をもたらし、米金利上昇からドル買い圧力を生み出しています。
米国とイランの戦闘終結覚書署名は一時的にドル売り(有事のドル買い相場の解除)をもたらしましたが、その後のホルムズ海峡運用の不確実性が再びドル買いを誘っています。また25日には最大注目イベントである5月PCEデフレーター発表が予定されており、この指数が上振れすれば市場の追加利上げ観測がさらに強まる可能性があります。
日本当局側は162円までの上昇を容認できないとの報道もあり、日米協調介入への警戒感も市場で高まっています。これにより、ドル売り圧力が強い時間帯に急落する場面も見られ、161円30銭前後での買い支えが機能している状況です。
ユーロドル(EUR/USD)とユーロ円(EUR/JPY)
ユーロドルは1.16ドル台で小動きが続いており、5月時点では1.1643ドルでした。ECBは6月利上げ可能性が高まっているとされ、エネルギー価格上昇によるインフレ懸念が継続しています。
ユーロ円は184円台後半で推移し、円安トレンドが基調となっています。これはユーロ圏のインフレ圧力に対するECBの引き締め姿勢と、日銀の緩やかな利上げペースの対比を反映しています。ただし年後半には日銀の利上げ加速期待から、ユーロ円も調整の可能性が指摘されています。
その他主要通貨
豪ドル円は105円台で、2024年7月以来の高水準を試しています。オーストラリア準備銀行(RBA)の利上げ観測が強まっており、2026年6月までの利上げがほぼ確実視されています。
独製造業PMIは6月速報値で50.0と予想の50.3をやや下回り、欧州経済の減速懸念を示唆しています。一方サービス業PMIは46.8と予想49.0を大きく下回り、欧州景気への警戒感が強まっています。
今後の展望
為替市場全体の展望としては、日米金利差の行方が最大の焦点となります。アメリカ経済は依然として底堅く、大幅な利下げを急ぐ必要がない状況が続く見通しです。一方日本では急激な利上げは経済への悪影響が懸念されるため、日米金利差が大きく縮まるシナリオは描きにくい状況です。
ドル円は構造的な円売り圧力が継続すると見られており、年後半にかけても高止まりの可能性が高いです。ただし為替介入警戒感は常に市場に存在し、162円超えは約40年ぶりの水準となることから、心理的な抵抗感も無視できません。
中東情勢は依然として不確実性が残っており、地政学リスクの再燃があれば有事のドル買いが再び意識される可能性があります。また米インフレの粘り強さが続く場合、FRBの政策スタンスもタカ派化する余地があり、ドル高圧力は継続する見通しです。
投資家としては、短期的な値動きの激しさに一喜一憂せず、長期的なファンダメンタルズに基づいた投資判断を心がけることが重要です。特に介入警戒感で値動きが大きくなりやすい環境であることを念頭に置いた資金管理が求められます。
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