2026年05月25日の国内・世界経済ニュースまとめ
サマリ
日本経済は堅調な成長を続けており、1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率2.1%と2四半期連続のプラス成長を達成しました。ただし、中東情勢の悪化に伴う原油高騰が物価上昇と供給制約をもたらし、世界経済全体の減速リスクが高まっています。日経平均株価は6万円台前半で推移し、AI関連の期待が相場を支えている状況です。
詳細
国内経済の動向
日本経済は緩やかな回復基調をたどっています。1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率2.1%と、個人消費、設備投資、輸出が全て増加を維持しました。2025年度の実質GDP成長率も0.8%のプラス成長となり、1994年度以降の最高水準を更新しています。
しかし課題も明らかになっています。実質賃金は4年連続で前年比マイナス(0.5%減)となっており、物価高の影響が家計を圧迫しています。2026年度の消費者物価上昇率は2.6%と予想され、原油高が包装資材や物流費、加工食品価格に波及しています。
株式市場では日経平均株価が5月初旬に一時6万3000円台を付けるなど、史上最高値を更新しました。その後は調整局面を迎えており、5月22日時点では約6万3000円前後で推移しています。上昇の主因は米国とイランの停戦期待とAI・半導体関連株への投資集中です。
為替相場は依然として円安圧力が強く、1ドル157~159円で推移しています。日銀の段階的な利上げとアメリカの高金利を背景に日米金利差が残存しており、円売りが優勢な状況が続いています。
世界経済の状況
世界経済は中東情勢の悪化に直面しています。国連経済社会局は2026年の世界経済成長率を2.5%と、前回予測から0.2ポイント下方修正しました。中東情勢が長期化するシナリオでは、エネルギー価格高騰、サプライチェーン混乱、不確実性の上昇の3つの経路で世界経済が下押しされると見られます。
アメリカ経済は底堅さを保っており、1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率2.0%でした。FRBは4月のFOMCで政策金利を3.50~3.75%に据え置いており、インフレへの警戒から大幅な利下げを見送っています。2026年の利下げは1回程度と予想され、金利は高止まりが続く見通しです。
ユーロ圏経済は緩やかに持ち直していますが、中東情勢の影響で成長鈍化が見込まれます。ECBは物価上昇対策として2026年中に2回の利上げを実施する予定です。中国経済は成長減速の気配があり、2026年の成長率は4.5%程度と見通されています。
原油価格は中東情勢の緩和期待から5月中旬に急落し、WTI原油は1バレル当たり100ドル前後へ低下しています。ただし地政学的リスクが完全に解消されたわけではなく、今後の値動きは情勢次第で大きく変わる可能性があります。
今後の展望
日本経済は2026年度の成長率0.5%と予想され、エネルギー・資源価格高騰の影響を受けて成長が鈍化する見通しです。ただし代替調達の進展や供給制約の緩和によっては、緩やかな回復軌道への復帰が期待されます。日銀は物価安定を重視し、2026年度に2回、2027年度に1回の利上げを実施すると予想されており、政策金利は最終的に1.5%まで引き上げられる見込みです。
世界経済の鍵となるのは中東情勢の推移です。早期収束シナリオであれば消費者物価上昇は0.1~0.3ポイント程度の影響に留まりますが、長期化シナリオでは日本の消費者物価は4%程度まで跳ね上がる可能性があります。政府・日銀は供給制約への対応策の充実が急務です。
AI・半導体関連産業は依然として成長戦略の中核ですが、過度な集中への警戒も必要です。日経平均株価の上昇が4銘柄に依存している状況は、市場が「選別相場」へ移行していることを示しています。今後は企業業績の堅調さを確認しながら、広範な銘柄への投資が重要になるでしょう。
実賃金のマイナス幅の縮小と物価上昇率の鎮静化が、家計消費の回復と経済成長の持続性を左右する重要な指標となります。
