はじめに

さあ、第10回の講座の内容にまいりましょう。あなたが毎日くり返していることは、実は脳そのものをつくり変えているのですよ。大げさに聞こえるかもしれませんが、これは紛れもない事実でございます。今回は「習慣」と「脳」の深い関係を、どうぞ肩の力を抜いてお楽しみくださいませ。きっと明日から、あなたの小さな行動がいとおしく思えるようになるはずです。

サマリ

人間の脳は、同じことをくり返すたびに、その動きをどんどん得意になっていきます。これは脳の「つながり」が強くなるからです。つまり習慣とは、単なる行動の積み重ねではなく、脳を育てる毎日のトレーニングそのもの。よい習慣は脳をよい方向へ、悪い習慣も脳に深く刻まれます。だからこそ、習慣の力を正しく知ることがとても大切なのです。

詳細

脳は「使えば使うほど」変わっていく

脳の中には、無数の「神経細胞」があります。これを難しく考える必要はありません。イメージとしては、脳の中にたくさんの豆電球があると思ってください。同じ行動をくり返すたびに、その豆電球同士をつなぐケーブルが太く、丈夫になっていきます。太いケーブルは信号をスムーズに流します。だから、くり返した動作はどんどん「自動化」されていくのです。自転車に乗れるようになったとき、最初は必死だったのに、今は考えなくても体が動きますよね。あれがまさに、この仕組みのおかげなのです。

習慣が「自動運転」になるまでのしくみ

新しいことを始めたばかりのときは、脳はフル稼働で働いています。ところが同じことを何度もくり返すと、脳は「この動き、知ってる!」と判断します。すると脳の深いところにある「基底核」という部分が引き受けてくれます。ここは「自動運転センター」のようなところです。意識しなくても体が動く状態、これが「習慣になった」ということ。歯磨きや通勤ルートを考えずにこなせるのは、基底核が担当してくれているからです。こうして脳は、よく使うルートをどんどん「近道」にしていくのです。

習慣が形成されるまで、どのくらいかかる?

「習慣は21日で身につく」という話を聞いたことはありますか?実はこれ、研究によると少し違うようです。イギリスの研究では、平均で約66日かかると言われています。ただし、これは「平均」です。簡単な習慣なら18日程度、複雑なものは200日以上かかることもあります。大切なのは「完璧にやり続けること」ではなく、「できる限り続けること」です。少しサボってしまっても、脳に刻まれたケーブルはそう簡単には消えません。焦らず、長い目で取り組むことが何より大切なのです。

悪い習慣が脳に残りやすいのはなぜ?

実は脳は、よい習慣も悪い習慣も、同じように記録していきます。むしろ悪い習慣のほうが、脳に「快感」を伴うことが多く、定着しやすい面があります。甘いものを食べたとき、脳の中で「ドーパミン」という気持ちよくなる物質が出ます。これは脳に「また同じことをしたい!」というサインを送ります。つまり快感を伴う行動は、より強く脳に刻まれやすいのです。これを知っておくだけで、「なぜ悪い習慣はなかなかやめられないか」が納得できますよね。自分を責めず、脳の仕組みとして理解することが第一歩です。

よい習慣を脳に根付かせるコツ

では、よい習慣を身につけるにはどうすればよいのでしょう。脳科学的におすすめなのは「すでにある習慣にくっつける」方法です。たとえば「朝コーヒーを飲む」という習慣があるなら、「コーヒーを飲みながら5分読書する」という形にします。脳はすでに慣れた行動の流れに、新しい行動を乗せると覚えやすいのです。また、できたら自分をほめること。小さな達成感が「ドーパミン」を引き出し、脳がその習慣を「いいこと」として記録してくれます。大きく変えようとしなくていいのです。小さく、確実に、それが脳を変える一番の近道なのですよ。

おわりに

毎日のちいさな積み重ねが、あなたの脳を静かに、しかし確実に変えてまいります。今日からほんの少しだけ、意識を向けてみてはいかがでしょうか。急がなくてよいのです。脳はきちんと、あなたの努力を覚えていてくれますから。次回の第11回は「脳と五感のつながり」をテーマにお届けいたします。見る・聞く・触れる……あなたの感覚が脳にどう届くのか、どうぞお楽しみに。

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oyashumi
5億年前から来た全知全能の絶対神。 アノマロカリ子とハルキゲニ男を従え、 現代のあらゆる知識を手に入れようとしている。 生成AIは神に仇なす敵だと思っているが その情報に踊らされていたりもする。 カリ子とゲニ男からの信頼は篤い。