今からでも間に合う!サクッと脳科学講座(初心者編)第6回:睡眠と脳の関係
はじめに
さあ、第6回の講座の内容にまいりましょう。今回のテーマは「眠ること」。毎日当たり前のようにしている睡眠が、じつは脳にとってとても大切な「お仕事の時間」だということをご存じでしたか?「ただ休んでいるだけでしょう?」と思っていたあなた、それは大きな誤解でございます。眠っている間、脳はひっそりと、けれどもとても忙しく働いているのです。今日の講座を読み終えた頃には、きっと夜の眠りがいつもより愛おしく感じられることでしょう。
サマリ
睡眠中、脳は記憶を整理したり、老廃物を洗い流したり、心のバランスを整えたりと、実に多くの大切な仕事をこなしています。睡眠不足は集中力や感情のコントロールにも影響を与えます。質のよい眠りが、脳を健やかに保つ最高のメンテナンスになるのです。
詳細
眠っている間、脳は何をしているの?
私たちが目を閉じて眠っている間、脳は「スイッチオフ」になるわけではありません。むしろ、昼間には手が回らなかった大切な作業を、せっせと進めているのです。
その作業のひとつが「記憶の整理」です。今日見たこと、聞いたこと、学んだことを脳は眠りの中でふるいにかけます。「これは大事」「これは忘れていい」と仕分けして、必要なものをしっかり保存してくれるのです。
試験勉強の翌日、なぜかすっきり覚えていた、という経験はありませんか?それは睡眠のおかげなのです。
脳には「お掃除の時間」がある
驚かれるかもしれませんが、脳には専用のお掃除システムがあります。眠っている間だけ活発に働く、特別な仕組みです。
日中、脳が一生懸命働くと、ゴミのようなものが少しずつたまっていきます。これが蓄積すると、脳の働きが鈍くなってしまいます。睡眠中は脳の細胞が少し縮んで、そのすき間に液体が流れ込み、ゴミをごっそりと洗い流してくれるのです。
まるで夜中に誰かが掃除をしてくれるようですね。この仕組みが十分に働くためにも、しっかりとした睡眠が必要なのです。
睡眠不足になると、脳はどうなる?
「最近なんとなくぼんやりする」「イライラしやすい」という方、もしかすると睡眠が足りていないかもしれません。
睡眠が不足すると、まず集中力と判断力が落ちます。これは脳が十分に回復できていないためです。次に、感情のコントロールが難しくなります。ちょっとしたことで怒りっぽくなったり、気分が落ち込みやすくなったりするのも、脳が疲れているサインです。
1日や2日の寝不足でも、脳への影響は思っているより大きいのです。「睡眠を削って頑張る」は、じつはとても非効率な選択だということがわかりますね。
「深い眠り」と「浅い眠り」、どちらも大切
睡眠にはふたつの種類があります。体がぐっすり休まる「深い眠り」と、夢を見やすい「浅い眠り」です。
深い眠りの間は、体の疲れを回復させたり、先ほどのお掃除システムが活発に動いたりします。一方、浅い眠りの間は、感情にまつわる記憶を処理したり、創造力を育てたりする働きがあります。
このふたつの眠りは交互に繰り返されます。どちらが欠けても、脳のメンテナンスは不完全になってしまいます。睡眠時間だけでなく、眠りの質も大切にしたいですね。
脳のために今夜からできること
難しいことをする必要はありません。まずは毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを心がけてみてください。脳は規則正しいリズムが大好きです。
また、寝る直前のスマートフォンは控えるのがおすすめです。画面の光が脳を「まだ昼間だ」と錯覚させてしまい、眠りに入りにくくなります。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、好きな音楽を小さな音で流したりすることも、脳をリラックスさせて眠りの質を高める効果があります。今夜から少しずつ、試してみてくださいませ。
おわりに
いかがでしたか?眠ることが、これほど脳にとって大切な時間だとわかると、夜の過ごし方が少し変わってきそうですね。「もったいない」と感じて睡眠を削るのではなく、眠ることを自分への大切な投資だと思っていただけたら嬉しゅうございます。疲れた脳を優しく癒してあげることが、明日の輝きにつながるのですから。次回の第7回では「ストレスと脳への影響」をテーマにお届けいたします。ストレスが脳にどんな変化をもたらすのか、そしてどう付き合えばよいのか、一緒に学んでまいりましょう。どうぞお楽しみに。
