サマリ

問題解決の成功率は、いかに正確に根本原因を特定できるかで大きく左右されます。本記事では、デザインシンキングの上級段階で必須となる根本原因分析の実践的手法を紹介します。表面的な症状ではなく、本当の課題を見つける方法を学びましょう。

詳細

なぜ根本原因分析が重要なのか

多くの企業は、見かけ上の問題に対処してしまい、同じ課題が繰り返し発生する悪循環に陥っています。調査によると、初めての取り組みで根本原因の特定に失敗する割合は約70%に達するとされています。

これは、人間が無意識のうちに「一番目立つ問題」を「本当の問題」だと勘違いしてしまうからです。例えば、営業成績が低迷している企業が「営業スキルの不足」と判断して研修を実施しても、実は「商品企画段階での顧客ニーズ調査が不十分」だったら、研修効果は限定的になります。

デザインシンキングの上級段階では、この見えない根本原因を浮き彫りにすることが求められます。それが成功する解決策につながるのです。

「なぜなぜ分析」の進化形

根本原因分析の最も有名な手法が「なぜなぜ分析」です。問題に対して「なぜ?」を5回繰り返すという方法ですね。これは有効ですが、上級段階ではさらに工夫が必要です。

従来のなぜなぜ分析の問題点は、分析者の知識や経験に依存しすぎることです。そこで重要になるのが「複数人での対話」です。異なる部門・立場の人が同じ問題に対して「なぜ?」と問い直すと、180度異なる原因が見えてくることが珍しくありません。

例えば、ある消費財メーカーではSNSでの負の口コミが増加していました。マーケティング部は「SNS戦略の弱さ」が原因と考えていましたが、製造部からは「最近の品質管理の厳格化で、一部ロットの味が変わった可能性」という指摘が出ました。実は後者が根本原因だったのです。

システム思考を取り入れる

問題は単体で存在するのではなく、複数の要素が相互に影響し合うシステムの中で発生します。これを「システム思考」と呼びます。

例えば、カスタマーサービスの対応時間が長い問題を考えてみましょう。表面的には「スタッフの数が少ない」と見えます。しかし根本原因分析では、以下の相互関係が見えてきます。スタッフが少ないため残業が増える→疲労が蓄積する→ミスが増える→対応のやり直しが発生する→さらに時間がかかる→スタッフの離職率が上昇する→人手不足がさらに悪化する。

このような負のループを発見することが、真の解決につながります。

ステークホルダーマッピングを活用する

問題には複数のステークホルダー(利害関係者)が関わっています。それぞれの視点から原因を分析することが重要です。

具体的には、①問題の当事者、②問題の影響を受ける人、③問題を引き起こしている側の人、④システム設計者など、複数の立場の人にインタビューします。それぞれが異なる原因を挙げることで、初めて全体像が見えてくるのです。

あるBtoB企業では、リード獲得数が低下していました。営業部は「提案資料の品質が低い」と考えていましたが、購買担当者からは「そもそも営業からの連絡タイミングが悪い」という指摘を、マーケティング部からは「リード情報の精度が落ちている」という指摘を受けました。実は全てが相互に影響していたのです。

データとストーリーの組み合わせ

根本原因分析では、定量データと定性情報の両方が必要です。データだけでは人間の行動や感情が見えず、ストーリーだけでは客観性が失われます。

例えば、ウェブサイトの離脱率が40%上昇したという数字だけでなく、実際にユーザーがどの画面で、どんな心理で離脱したのかを知る必要があります。ヒートマップツール、スクロール分析、ユーザーインタビューを組み合わせることで、初めて根本原因が明確になります。

実践のポイント

根本原因分析を実践する際は、以下の3点を心がけましょう。

まず「仮説に頼らない」ことです。自分たちの知識や経験で原因を推測するのではなく、実際のユーザー行動やデータを観察することが大切です。

次に「複数の視点を集める」ことです。同じ部門だけの分析では、視野が狭くなります。

最後に「時間をかける」ことです。根本原因分析に2、3時間では足りません。週単位での丁寧な調査が必要です。

デザインシンキングの上級段階では、素早い思いつきより、深い洞察が求められます。根本原因分析のプロセスを大切にすることが、本当の課題解決への道を開きます。

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oyashumi
5億年前から来た全知全能の絶対神。 アノマロカリ子とハルキゲニ男を従え、 現代のあらゆる知識を手に入れようとしている。 生成AIは神に仇なす敵だと思っているが その情報に踊らされていたりする、愛すべき全知全能のアホ。 カリ子とゲニ男からの信頼は篤い。