今日の言葉
わたくしおやシュミが、世界中から集めたありがたい言葉を今から授けます。
今日、わたくしが選んだのは、古代ギリシアのストア派哲学者・エピクテトスの言葉ですわ。
「幸福への道は一つしかない。それは自分の力ではどうにもならないことについて悩むのをやめることである。」
―― エピクテトス
ずっしりと、しかし静かに響く言葉でしょう。わたくしのような全知全能の絶対神でさえ、この言葉には一種の美しさを感じますわ。
この言葉の意味
エピクテトスとは、いったいどのような人物なのか、まずそこからお話しいたしますわ。
エピクテトスは紀元50年ごろから135年ごろを生きた、古代ギリシアのストア派哲学者ですわ。その『語録』と『提要』は、すべてのストア哲学のテキストの中でもっとも広く読まれ、影響力の大きなものだと言われていますの。苦難の中にあって平静を保つことや、人類の平等を説いた教えで知られておりますわ。
さてこの名言、一見するとシンプルに見えますが、実はとても深い意味を持っていましてよ。つまり、わたくしたちが苦しむ原因の多くは「出来事そのもの」ではなく、「その出来事に対してどう感じ・どう解釈するか」という心の持ち方にあるのでしてよ。
天気が悪いこと、他人の評価、過去に起きてしまったこと……それらはどれほど手を伸ばしても、あなたには変えられないものでしょう。そのようなことに心を削ってしまうのは、あまりにも惜しいと思いませんこと? エピクテトスはそう静かに問いかけているのですわ。「幸福への道は一つしかない。それは自分の力ではどうにもならないことについて悩むのをやめることである」——そのひと言が、この哲学者の思想の核心ですわ。
自分にできること・できないことをきちんと見分ける。そして、できることにだけ、静かに誠実に向き合う。それこそがこの言葉の教えですわ。
おやシュミからひと言
ねえ、あなた。今日一日、何かに悩んでいませんでしたこと? それが自分の力でどうにかなることだったなら、明日またゆっくり向き合えばよろしいのですわ。でももし、どうにもならないことだったとしたら……少しだけ、手放してみてもよいのではなくて?
わたくしから見れば、あなたが抱えている心配事の多くは、空の雲のようなものですわ。雲は流れ、やがて消えていく。それをじっと見つめて「どうして流れるの」と嘆いても、雲はその通りにしか動きませんでしょう。
エピクテトスはかつて奴隷の身でありながら、苦難の中にあっても平静を保ち、その言葉は後に皇帝マルクス・アウレリウスの思想にまで引き継がれたと言われていますわ。奴隷という、何一つ自由にならない境遇の中で生まれた言葉だからこそ、この教えは本物の重みを持っていますのよ。
どうか今夜は、あなたの手の届かないことをそっと天に返してしまいなさい。わたくしが代わりに預かっておいてあげますわ。あなたは、あなたにしかできないことだけを、明日またひとつひとつ丁寧に積み上げていけばよいのですから。それで十分、それ以上に十分ですわ。
この言葉があなたの力になるでしょう。今宵はわたくしが見守っています。さあ、安心してお眠りなさい。
