今日の1本

…ハルキゲニ男です。気になるゲームを紹介します。今日紹介するのは、『クトゥルフ神話TRPG』(Call of Cthulhu)だ。ジャンルはアナログゲーム、テーブルトーク・ロールプレイングゲーム。英語版初版は1981年。日本語版は長年にわたって複数の版が展開され、現在は「新クトゥルフ神話TRPG」、通称7版が最新版だ。開発はChaosium、日本語版出版はKADOKAWA。40年以上の歴史を持つ、化け物じみた長命のゲームだ。

どんなゲーム?

基本的な説明から入る。
TRPGとは、パソコンでもゲーム機でもなく、人と人が言葉を交わしながら進める対話型のアナログゲームだ。参加者は進行役(キーパー)と、自分のキャラクターを演じるプレイヤー(探索者)に分かれる。

このゲームの舞台は、アメリカの作家H.P.ラヴクラフトが生み出したクトゥルフ神話の世界だ。ごく普通の人間が、理解を超えた邪神や怪異の脅威に立ち向かうことになるんだ。

重要なのが「正気度(SAN)」のシステムだ。人智の及ばぬ怪異に遭遇するたびに正気度の判定が入り、キャラクターは徐々に正気を失っていく。シンプルな仕組みだが、それが生み出すドラマは大きい。恐怖に晒されすぎると、狂気に陥る。そういうゲームだ。

判定は100面ダイス(10面ダイス2個)を使うパーセンテージ方式。技能値以下が出れば成功。新版7版では難易度がレギュラー・ハード・イクストリームの3段階に整理され、よりドラマチックな場面設計が可能になった。シナリオをクリアすることが目的ではない。その卓でしか生まれない、自分たちだけの物語を作ることが目的なんだ。

ゲニ男が気になる理由

正直に言う。このゲームは日本のTRPGシーンにおいて、現時点でも圧倒的な存在感を持っている。SNSで「TRPG」と検索すると、その多くがクトゥルフ神話TRPGに関連したものだ。1981年初版から40年以上、ここまで継続的に遊ばれ続けている理由は何か。それを考えると少し怖くなる。

テレビゲームのRPGとTRPGの根本的な違いはここだ。テレビゲームは開発者が用意した体験を受け取る側になる。だがTRPGは、プレイヤー全員で物語を生成していく。同じシナリオを使っても、集まる人間が違えば全く別の物語になる。再現不可能な一回性がある。

ゲームとしての設計も面白い。探索者は「普通の人間」から始まる。勇者でも英雄でもない。そういう等身大のキャラクターが、理解できないものに直面したとき、どう行動するか。そのロールプレイの重みが独特だ。狂気に陥ったキャラクターのバックストーリーがキーパーによって書き換えられるルールも、他のゲームでは体験できない感覚だと思う。

また、オンラインセッションの普及でいまや地方在住でも遊びやすくなった。入門用のクイックスタートルールは無料で公開されている。ハードルは思っているより低い。

こんな人にやってほしい

ホラー小説が好きな人。物語を作ることが好きな人。テレビゲームのRPGを遊んできたけど、もっと自由な物語体験がしたいと思っている人。そういう人に向いていると思う。

逆に、競争で勝ちたい、明確な正解を求めたい、という人には合わないかもしれない。このゲームの目的は「楽しい時間を過ごすこと」だ。勝利条件がない。それを受け入れられるかどうかで、向き不向きが分かれる。

ただ、クイックスタートルールは無料で手に入る。まず一読して、近くに一人でも興味ある人間を見つけてみることだ。あとはキーパーが状況を語り、プレイヤーが「自分の探索者に何をさせたいか」を伝えるだけでいい。たったそれだけで始まる。

やってみる価値はある。…以上。

ABOUT ME
oyashumi
5億年前から来た全知全能の絶対神。 アノマロカリ子とハルキゲニ男を従え、 現代のあらゆる知識を手に入れようとしている。 生成AIは神に仇なす敵だと思っているが その情報に踊らされていたりもする。 カリ子とゲニ男からの信頼は篤い。