2026年06月30日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
金価格は6月中旬時点で1グラム23,000円前後と歴史的高値圏を維持しながらも、短期的には大幅な値動きを繰り返しています。原油価格は米・イランの和平進展で大きく下落し、1バレル69ドル近くまで低下しました。両コモディティとも中東情勢や米国の金融政策が価格を大きく左右する局面が続いています。
詳細
金価格の現状と動向
2026年6月の金価格は波乱万丈の展開が続いています。6月1日時点の国内店頭小売価格は1グラムあたり25,758円でしたが、その後は下落し、6月中旬時点では23,000円前後で推移しています。
背景にあるのは複数の要因です。まず、米国の長期金利上昇が金に対する魅力を減らしています。金は利息を生まない資産なので、金利が上昇すると「債券を持つ方が有利」と判断する投資家が増え、売り圧力につながります。また、米ドルの強含みも逆風となっており、ドル建てで取引される金は国際的に割高になってしまいます。
ただし、1月末には過去最高の1グラム30,248円を記録し、5月末のスタグフレーション(景気減速下のインフレ)懸念で反発するなど、長期的には強気姿勢が根強いです。世界金協会によると、2026年1~3月期の世界の金需要は前年同期比2%増の1,231トンで過去最高水準を記録しています。
原油価格の現状と動向
原油価格は6月下旬に急落しました。月末時点でWTI原油は1バレル69ドル近くまで下落し、2月下旬以来の最低水準となっています。
この急落の主因は、米国とイランの和平合意の進展です。ホルムズ海峡を通過する船舶が自由に航行できるようになり、ペルシャ湾の石油輸出が戦前の水準の約75%まで回復しました。中東産油国も追加供給を進めており、供給不安が大幅に軽減されました。
ただ、3月の中東情勢悪化時には、ドバイ原油が一時140%上昇するなど、地政学リスクに極めて敏感な市場です。現在は平和交渉が進展していますが、予断を許さない状況が続いており、今後の交渉次第では再度上昇する可能性があります。
今後の展望
コモディティ市場全体としては、不確実性が高い環境が続きます。金については、ゴールドマン・サックスが2026年12月末に5,400ドル/オンスに達すると予想するなど、長期的には強気見通しが大勢です。中央銀行による購入需要や脱ドル化の流れが下支え材料となる見込みです。
ただし短期的には、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の方向性が重要です。現在、市場は2026年中の利上げを約3回織り込んでおり、金利動向がコモディティ全体を左右します。
原油については、中東情勢の安定維持が鍵を握ります。平和交渉が継続すれば供給リスクが軽減され、価格は低下圧力を受けやすいでしょう。一方、交渉の決裂や新たな地政学リスクが生じれば、急騰する可能性も高まります。世界経済の成長ペースも原油需要を左右する重要な要素です。
投資家にとって重要な視点は、この両コモディティが相反する値動きをしやすい点です。地政学リスク緩和で金が売られても原油も下がり、リスク悪化で金が買われても原油も上がります。分散投資という観点から、両者をバランスよく組み合わせる戦略が効果的かもしれません。
