2026年06月08日の金・原油価格動向まとめ
サマリー
6月8日の金価格は1グラム約25,247円で推移。3月の過去最高値から調整局面にありますが、依然高値圏を維持しています。一方、原油はWTI先物が約91ドルで推移。中東情勢の緊張とホルムズ海峡の封鎖懸念により高止まりしています。
詳細
金価格の動向分析
6月の金相場は25,000円前後で展開しています。3月初旬に29,969円という歴史的高値をつけましたが、その後の利益確定売りと地政学リスクの緩和期待により、5月末時点では25,294円まで調整しました。6月1日には25,758円と反発しており、短期間での値動きが非常に大きい状況が続いています。
この変動の背景には、米国の金融政策と為替動向があります。5月に発表された米個人消費支出が前年比3.8%上昇するなか、GDP改定値が1.6%へ下方修正されました。景気減速下のインフレである「スタグフレーション」の兆候が強まったことで、金利を生まない金への買い優勢が続いています。加えて、財務省による過去最大となる11兆7,349億円の円買い為替介入にもかかわらず、依然1ドル159円台の歴史的円安が継続しており、国内金価格を下支えしています。
原油価格の動向分析
原油価格は引き続き高値圏での推移が続いています。5月の平均価格は1バレル100.43ドルで、前月比3.3%の下落でしたが、前年同月比では60.0%の大幅上昇です。6月の相場は1バレル90~93ドル付近で推移しており、景気減速懸念から一定の圧力を受けています。
しかし、中東情勢の緊張によるリスクプレミアムは依然として存在しています。米国とイランの停戦交渉の進展が報道される一方で、イスラエルのレバノンでの継続的な作戦により、ホルムズ海峡の長期封鎖への懸念が払拭されていません。2月末のイラン攻撃直後には、ドバイ原油が170ドル近い過去最高値をつけたため、現在の90ドル台は心理的な安心感につながっている面もあります。
今後の展望
金相場は中期的には高い水準を維持すると見られています。中央銀行による継続的な金購入と、地政学リスクへのヘッジ需要が価格を下支えするでしょう。短期的には米国金利の動きや地政学リスクの変化に敏感に反応し、2万4,000~2万6,000円程度のボックス圏での動きが想定されます。
原油価格は需給バランスと地政学リスクが綱引きする状況が続く見込みです。中東情勢が安定化すれば、世界銀行の予想通り2026年の平均価格が95ドル程度に低下する可能性があります。一方、中東情勢が悪化すれば120ドルまで上昇するリスクも存在します。注目すべきは、原油価格の下落がコモディティ全体に好影響を与える点です。エネルギー供給不安が和らぐことで、インフレ圧力が緩和され、金への避難需要が減る可能性も考えられるため、両者の相互作用に注視が必要です。
