2026年06月07日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
6月初旬の金価格は1グラムあたり25,000円を超える歴史的高値圏を維持しています。一方、原油はバレルあたり90ドル付近で推移しており、中東情勢の不確実性が相場を左右しています。両コモディティとも短期的な変動は大きいものの、長期的な上昇トレンドが続いています。
詳細
金価格の動向と要因
金相場は驚くほどの強さを見せています。国内の金店頭小売価格は6月1日時点で1グラムあたり25,758円を記録。これは2025年の大幅上昇を引き継いだもので、2020年の6,000円程度から4倍以上に跳ね上がっています。
短期的には4月下旬に4,370ドル/オンスという2026年の最低水準まで下落した場面がありました。しかし現在は回復基調をたどっており、相場の底堅さが保たれています。米国のマクロ経済指標が景気減速下のインフレ「スタグフレーション」の兆候を示したことで、ドル弱含みとなり、金への避難需要が集まっています。
金価格を支える大きな要因は、各国中央銀行による購買です。世界の金需要は2026年1~3月期で前年同期比2%増の1,231トンに達し、過去最高水準を記録。新興国による脱ドル化の動きが継続しており、この構造的な需要が相場を下支えしているのです。
原油価格の動向と要因
原油は中東情勢に大きく左右されています。WTI原油は5月末から6月初旬にかけて、バレルあたり90ドル前後で推移。イランとの和平交渉期待で一度は88ドル台まで下落しましたが、その後イスラエル・レバノン間の軍事衝突再開報道により、98ドル台へと反発しています。
5月平均の原油価格は100.43ドル/バレル。前月比では3.3%の下落ですが、前年同月比では60%もの上昇となっており、依然として高い水準が続いています。ホルムズ海峡を通るエネルギー供給の継続的な混乱が、高止まり要因になっているのです。
米国の原油在庫は6週連続の減少で、約4億4,169万バレルと過去5年平均を下回っています。供給面での逼迫感が価格を支えており、景気動向よりも地政学リスクが価格決定要因となっているのが特徴です。
今後の展望
コモディティ市場全体としては、不確実性の高い局面が続く見込みです。
金は長期的には強気見通しが優勢です。米国の財政赤字が拡大し、中央銀行の金購買が続く限り、上昇圧力が続くと予想されます。大手金融機関の多くは、ドル建て金価格が5,000ドルに達するとの見通しを示しており、まだ上値余地があると見られています。ただし短期的には利益確定売りが入りやすく、2万5,000円を挟んだ上下動は避けられないでしょう。
原油については、米国エネルギー情報局(EIA)は2026年通年でブレント原油が95ドル/バレルになると予想しています。イランとの交渉進展により、ホルムズ海峡が再開されれば下押し圧力が強まる可能性があります。一方で、非OPEC加盟国の増産が進まなければ、さらに価格が上昇するシナリオも存在します。
両相場とも中東の軍事情勢と米国の経済指標が主要なテーマです。6月中旬以降の米国雇用統計やFRBの政策判断に注視が必要。高い変動性を念頭に置きながら、中長期的なトレンドを見守ることが重要です。
