サマリ

2026年6月の金価格は1グラムあたり約25,000円前後で推移。国内小売価格は6月1日時点で25,758円でしたが、4日には24,959円まで下落しています。一方、原油価格(WTI)は1バレルあたり95ドル前後と下げ局面にあり、米イラン間の和平交渉と中東情勢が市場を揺さぶっています。

詳細

金価格の動向と分析

金相場は短期的な変動性が高い局面にあります。国内小売価格は6月初旬の25,758円から6月4日には24,959円へ下落し、約800円の値幅を記録しています。2026年初頭には3万円を超える歴史的高値を付けていたものの、その後の調整局面を経ているというわけです。

この動きの背景にあるのは複合的な要因です。最大の要因は利益確定売りです。短期間での急騰後、「今のうちに売却しよう」と考える投資家が殺到。その連鎖反応で下落が加速しました。もっとも、この調整は健全な動きとも評価されています。

さらに重要なのは米国のインフレ動向です。4月の米個人消費支出(PCE)価格指数が前年比3.8%上昇し、インフレ懸念が強まりました。これが金利政策の引き締めを示唆し、利息を生まない金の魅力を減じています。米イラン間の緊張も金価格に影響。地政学的リスクが高まると安全資産として買われるはずですが、同時にドル買いも進むため、相互作用は複雑です。

一方、長期見通しは強気です。世界金評議会(WGC)によると、2026年1〜3月期の世界金需要は前年同期比2%増となり、過去最高水準に達しています。新興国中央銀行のドル離れ(脱ドル化)が相場を構造的に支えるとみられており、今後の上昇期待は根強いです。

原油価格の動向と分析

WTI原油価格は現在、1バレルあたり95ドル前後で取引されており、直近で下げ基調にあります。これは米国とイランの和平交渉進展への期待が強まったことが主因です。ホルムズ海峡が開放される見通しが出ることで、供給不安が緩和され、売り圧力が増しています。

5月末時点でのOPECバスケット価格は平均105.41ドルで、前年同期比では+64.99%の高い水準を維持しています。2025年の年間平均が70ドル前後だったことを踏まえると、現在の100ドル超は明らかに高値圏です。

ただし、情勢は不透明感も残しています。イスラエルとレバノンの紛争、イランとアメリカの緊張関係は完全には解決していません。イランは地域全体での停戦を条件としており、交渉のテーブルは揺らぎやすい状況です。加えて、6月はアメリカの雇用統計や金融政策の方向性を示す重要指標が発表される時期。これらが相場を左右する可能性があります。

今後の展望

コモディティ市場全体の課題は「不確実性」と「多次的な影響」です。

金は長期的な上昇期待がありますが、短期的には米金利政策の動きが重要です。FRB(米連邦準備制度)がインフレを理由に高金利を長期維持するとみれば、金の上値は抑えられる可能性があります。一方で、スタグフレーション(高インフレと景気低迷の並行)が現実化すれば、実物資産への逃避需要が一気に高まるでしょう。

原油は供給リスクが最大のテーマです。米イラン交渉の結果次第で、1バレルあたり90ドルを割る場面もあれば、110ドルへの上昇もあり得ます。6月の動きは注視が必要です。ホルムズ海峡は世界の原油供給の5分の1を担うルートであり、地政学的リスクの最前線です。

全体として、2026年6月のコモディティ市場は高ボラティリティ(変動性)環境です。米国の経済指標、中東情勢、金融政策の行方—これら3つをセットで見守ることが、市場を読み解く鍵となります。

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