2026年05月28日の転職市場動向まとめ
サマリ
2026年5月の転職市場は「二極化」が進行中です。有効求人倍率は1.18倍で高止まりしているものの、職種や業界によって採用難易度の差が明らかになってきました。IT・エンジニア・建設業界では人手不足が続く一方、年収は平均509.5万円と堅調に推移しています。企業と求職者の両者に、より戦略的なアプローチが求められる転換期を迎えています。
詳細
求人倍率と労働市場の現状
厚生労働省が発表した2026年3月の有効求人倍率は1.18倍で、前月比では0.01ポイント低下しました。一方、新規求人倍率は2.15倍で、前月比0.05ポイント上昇しています。doda(デューダ)の転職求人倍率レポートによると、4月時点で2.38倍と、依然として売り手市場が続いている状況です。
ただし「倍率が高い=すべての職種で採用しやすい」という単純な解釈は危険です。実は職種による求人倍率の差が固定化しており、人気職種と不人気職種の格差が確実に広がっています。
注目業界と職種別の採用動向
■IT・通信業界
最も熱い市場です。ITエンジニアの新規有効求人倍率は2.9倍(3月時点)で、前月の3.3倍から減少しましたが、まだ極めて高い水準にあります。生成AI、クラウド・SaaS市場の拡大、業界特化型DXが採用の中心となり、最新の技術トレンドを追いかけられる人材がより一層求められるようになります。
4月末時点で、エンジニア職種の求人数は2025年1月比で1.2倍、応募数は1.4倍に増加しており、転職希望者の関心の高さが伺えます。
■製造業・半導体業界
2025年の求人件数は前年比106.9%に増加しました。特に弱電回路設計は189.3%と大幅に増加。AI関連需要とEV向け半導体が牽引しており、低消費電力・高性能設計やEMC対策の知識を持つエンジニアが重宝されています。
■建設・不動産業界
2024年問題を経て労働環境の改善が進み、採用意欲が堅調です。また、円安基調やサプライチェーン見直しによるメーカーの国内回帰も、建設業界の採用意欲を下支えしています。人手不足割合は依然として全業種中で高水準にあります。
■営業・企画マーケティング系
4月末時点で求人数は1.1倍、応募数は1.2倍。着実な需要が続いています。
■一方で採用が落ち着いている業界
情報通信業は新規求人で前年同月比15.8%減、小売業や飲食サービス業も減少傾向です。特に金融業の新卒求人倍率は0.21倍と、業種による露骨な採用難易度の差が表れています。
平均年収と賃上げトレンド
2026年4月時点で、正社員の平均初年度年収は509.5万円と、前年同月から21.5万円の増加を記録しました。経験者求人は578.3万円、未経験者求人は454.2万円です。業種別では金融・保険業が631.6万円で最も高くなっています。
ただし重要なポイントとして、給与水準は「平均値」で見ると上昇していますが、実際には高度なスキルを持つ人材に大きなオファーが出る一方、汎用的なスキルの人材は伸び悩んでいます。この格差は確実に広がっているのが実態です。
採用トレンドと求職者の動き
■年代別の転職動向
20代が12.0%で転職率は最多ですが、前年比では減少しています。一方、30代~50代は前年比で増加しており、特に40代・50代は2021年以降継続して上昇。これは少子高齢化の影響で若手の採用がますます困難になり、企業が35歳~50代前半のミドル層をターゲットに転換し始めたことを反映しています。実は企業の68.4%が50代以上の採用に「積極的」と答えており、年齢要件の緩和が確実に進行中です。
■採用手法の多様化
87.2%の企業が「求人広告・人材紹介以外の新たな採用手法が必要」と回答しています。リファラル採用(実施58.4%)、アルムナイ施策(実施42.0%)、タレントプール施策など、潜在候補者との「関係性」を重視した採用へシフトが加速。もはや「今すぐ転職する人を奪い合う活動」ではなく、「関係性を育て、タイミングを待つ活動」へと変わりつつあります。
■AI・DXの実装フェーズへ
2025年は「AIをどこまで活かすべきか」を検討する年でしたが、2026年は実装フェーズに本格突入。生成AIの実用化、クラウド・SaaS市場の拡大、業界特化型DXが進展し、これらに対応できる即戦力人材の採用競争が一層激化します。
転職希望者が注視すべきポイント
単に「給与が高い」だけでは優秀層は動きません。2026年は「この会社で働くことで、自分の市場価値がどう上がるか」「長期的なキャリアパスが描けるか」という
