2026年05月28日の国内・世界経済ニュースまとめ
サマリ
日本経済は緩やかな回復が続く一方、中東情勢悪化の影響で物価上昇圧力が強まっています。世界経済も減速が懸念される中、米国はAI関連投資に支えられて底堅い成長を維持。日銀は段階的な利上げを進める見通しで、長期金利の急上昇が実体経済への波及を懸念させています。
詳細
国内経済
日本経済は着実な回復基調を継続しています。2026年1~3月期の実質GDP成長率は前期比年率2.1%を達成し、2四半期連続のプラス成長となりました。個人消費と設備投資の堅調さに加え、輸出も高い伸びを見せるなど、内需と外需の両面で底堅さが確認されました。
ただし、懸念材料も大きいです。イラン情勢の悪化に伴う原油価格の高止まりが、食料品やエネルギー価格を押し上げており、消費者物価は2026年度で2.6%の上昇が見込まれています。実質賃金は2026年度後半に前年比マイナスに陥る可能性があり、個人消費に悪影響を与えるリスクがあります。
金融政策面では、日銀が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げてから、長期金利が急速に上昇しています。10年国債利回りは2.4%台から2.7%台へと上昇し、企業の調達コストが高まっています。日銀は今後、2026年6月と12月、2027年6月に各0.25%ずつの利上げを実施し、政策金利を1.5%へ引き上げることが見込まれています。
株式市場では、日経平均株価が6万1000~6万3000円台で推移していましたが、金利上昇を背景に調整局面を迎えています。上場企業の2026年3月期決算は6年連続で最高益を見込む企業が多く、価格転嫁姿勢が積極化していることが確認されました。
円相場は依然として円安圧力が強く、一時1ドル160円を超える水準まで下落しました。政府・日銀は複数回の為替介入を実施し、円安加速を抑制しています。円安のダブルパンチで、輸入物価上昇が家計と企業の負担を増加させています。
世界経済
世界経済成長は減速傾向を示しています。国連の経済社会局は2026年の世界経済成長率を2.5%と予測しており、前回見通しから0.2ポイント下方修正されました。中東情勢の不安定化により、エネルギー資源の価格高騰とサプライチェーン混乱が続いています。
米国経済は相対的に堅調です。2026年の実質GDP成長率は2.1%が見込まれており、AI関連の設備投資と個人消費がけん引役となっています。ただし、トランプ政権による関税政策の影響により、インフレ再燃のリスクが高まっています。FRBは政策金利を3.5~3.75%で据え置き、2026年は控えめな利下げ(1回程度)を想定しています。5月のFRB議長交代により、政策運営が変わる可能性もあります。
ユーロ圏経済は緩やかに持ち直しており、2026年の成長率は0.8%が見込まれています。ただし、中東情勢による資源価格上昇がエネルギー集約型産業の重荷となります。欧州中央銀行(ECB)は2026年中に2回の利上げを実施する見通しです。
中国経済は減速に歯止めがかかった兆しがありますが、基調の弱さが続いています。2026年の成長率は4.5%と政府目標を達成する見込みですが、その後27年は4.3%に鈍化するとみられます。民間投資や消費の不振が懸念材料です。
今後の展望
2026年は「金利のある世界」への移行期が本格化します。日本では日銀の継続的な利上げにより、住宅ローンや企業の資金調達コストが上昇局面を迎えます。同時に、中東情勢や米国の金融政策、トランプ政権の関税政策が経済に大きな影響を与える要因となります。
最大の焦点は、イラン情勢の行方です。ホルムズ海峡の通航が正常化するか、それとも長期化するかで、原油価格の高止まりが決定的に重要です。資源価格が上昇し続けば、世界経済はスタグフレーション(成長鈍化と物価上昇の並存)の傾向を強めるでしょう。
日本国内では、大企業と中小企業、富裕層と低中所得層の経済格差(K字型経済)の拡大が続く可能性があります。価格転嫁が進む大企業と転嫁できない中小企業の経営格差が顕著になります。個人消費の持続性が2026年経済の重要なカギとなるでしょう。
通商環境の不確実性も無視できません。トランプ政権の関税政策やFRB議長交代による金融政策の転換は、為替相場や株価に大きな変動をもたらす可能性があります。政府と日銀の政策運営が、物価安定と景気維持のバランスを取れるかが試されます。
