2026年05月22日の金・原油価格動向まとめ
サマリ
金相場は5月18日時点で1グラム25,617円と高値圏を維持しながら調整局面を続けています。年初の30,000円超から下落しましたが、依然として過去の水準より高い状態です。一方、原油は米国とイランの和平交渉の進捗によって大きく振幅しており、WTI原油は約100ドル前後で推移する不安定な値動きとなっています。
詳細
金価格の動向と分析
2026年の金相場は極めてドラマティックな展開となっています。年初には国内小売価格が3万円を超える歴史的な高値を記録しましたが、その後、利益確定売りが連鎖し調整局面に入りました。5月18日時点の価格は1グラム25,617円となっており、ピークからは約14%の調整となっています。
ただし、重要なのは依然として過去の水準より大幅に高い状態にあるということです。実際、金価格は過去20年で10倍以上に上昇しており、長期トレンドは上昇基調を維持しています。
金相場を動かす主な要因は、米国の金融政策、ドル相場、地政学リスク、インフレ懸念の4つです。特に現在は、米国の利上げ観測の後退とドル安が金を支援する材料となっている一方で、強いドルが金需要を圧迫する側面もあります。中東情勢の緊張によるインフレ懸念は、金を「防衛資産」として評価する側面として機能しています。
短期的な値動きは依然として大きく、投資判断には慎重さが必要です。しかし、中央銀行による金購入や採掘コストの上昇といった供給面の課題を考えると、長期的には下支えが機能しやすい環境にあるといえます。
原油価格の動向と分析
原油価格は2026年の最大の注目ポイントです。WTI原油は現在約100ドル前後で推移していますが、その背景には米国とイランの政治情勢が大きく影響しています。
3月にイランへの攻撃が発生した際には、WTI原油は一時100ドルを超える水準まで上昇しました。その後、和平交渉への期待が高まると急落する展開もみられています。ホルムズ海峡の航行安全性が不完全な状態にあることが供給不安につながり、価格を支援する材料となっています。
5月の時点では、トランプ米大統領がイランとの交渉進展を述べたことで、原油価格は下落圧力を受けています。しかし、イランからの対抗的なシグナルも出ており、市場は極めて不安定な状況にあります。戦略石油備蓄の放出なども限定的な下落要因として働いていますが、供給制約感は依然として根強くあります。
2026年内のWTI原油は75~95ドルのレンジで推移しやすいとの見通しが優勢です。ただし、中東情勢の急変によっては、この予想が大幅に変わる可能性があります。為替考慮では、国内の原油価格(円/リットル)は過去1年間で93.99%の上昇と異例の高さになっています。
今後の展望
金・原油の両市場は今後も、大きく3つの要因に支配されやすいと考えられます。
第一は、米国の金融政策です。FRBが金利を維持または引き上げるかによって、金相場に直結する影響が生まれます。インフレが2%の目標を上回り続ける限り、タカ派的な政策姿勢が続く可能性が高いです。
第二は、中東情勢です。米国とイランの和平交渉の行方が、原油価格の最大の変動要因になります。仮に交渉がまとまれば、ホルムズ海峡が再開され、原油価格は大きく下落する可能性があります。逆に緊張が高まれば、供給不安からさらなる値上がりも考えられます。
第三は、ドル相場です。円安が進行している現在、ドル相場の動きは金・原油の国内価格に大きな影響を与えます。特に原油については、為替変動が価格変動と同等かそれ以上のインパクトを持つ状況にあります。
ゴールドマン・サックスは、2026年末の金価格を5,400ドルと予想しており、長期的には強気の見方が優勢です。これは、世界的なインフレ懸念やマクロ経済の不確実性が続くとの見立てが背景にあります。投資家は短期の値動きに惑わされず、中長期的な視点を保つことが重要になるでしょう。
