2026年06月13日のM&A動向まとめ
サマリ
2026年6月時点のM&A市場は好調が続いており、日本企業は国内外で積極的に事業再編に動いています。特に物流改正法施行に伴う物流子会社の再編、アジア太平洋地域での進出、そして経営者の高齢化に伴う事業承継の加速が主な特徴です。クロスボーダーM&Aでは円安を活かした海外展開が進み、事業承継税制の特例措置も追い風となっています。
詳細
注目の買収案件
靴小売専門店のエービーシー・マートが、韓国アパレル大手からシューズセレクトショップの運営事業を取得するなど、小売業界での買収が活発です医療・ヘルスケア分野でも、エムスリーが介護向けシステム開発企業の子会社化、ジーエヌアイグループが医薬品企業を子会社化するなど、戦略的な再編が進んでいます大型案件としては、三菱商事による米天然ガス開発大手の約1兆2千億円規模の買収や、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール約2兆円での買収が完了し、大規模なクロスボーダーM&Aが実現しています2026年4月の物流改正法施行に伴い、製造業・非製造業を問わず大手企業の物流子会社をめぐるM&Aが一層活発になると予想されます3PL(サードパーティー・ロジスティクス)など物流大手による子会社買収が続く一方、卸や小売などの荷主企業も自社の輸送力強化を目的に物流子会社の再編に乗り出しています事業承継税制の特例措置は2026年3月末が期限となっており、経営者にとって早急な判断が必要です。特例措置は納税猶予割合100%・対象株数無制限という好条件が適用されます経営者の高齢化による事業承継がピークを迎えるなか、企業の内部留保が豊富であることを考慮すると、今後10年間もM&A件数は増加していくと予想できます2026年1~3月期の日本企業のM&A件数は1,295件で、前年同期から9.6%増加し、金額では65.3%増加しています2025年、日本企業によるアジア太平洋地域でのM&Aは合計361件で、シンガポール・中国・ベトナム・タイが主要市場となっており、情報通信業が最多で全体の19.1%を占めています再生可能エネルギーやリサイクル関連の案件は、規制対応を先取りしつつ新たな収益源の開拓として位置づけられており、サプライチェーン全体の透明性強化が重視されています。
M&A市場の今後の展望
2026年のM&A市場は、好調なトレンドが継続することが見込まれています。国内では、事業承継税制の優遇措置が活用される間に動く企業が増加し、物流業界の改正法対応に伴う大型再編が予想されます。一方、クロスボーダーM&Aでは、日本企業の攻めの海外投資が加速しており、特にアジア太平洋地域への関心が高まっています。
企業経営者にとっては、事業承継の選択肢がM&Aを含めて多様化しており、スタートアップの出口戦略としても大手傘下への統合を選択するケースが主流になりつつあります。規制環境の変化や金利上昇の影響を見極めながら、戦略的なタイミングで意思決定を行うことが成功のカギとなるでしょう。
