2026年05月27日の国内・世界経済ニュースまとめ
サマリ
国内経済は中東情勢悪化に伴う供給制約と物価上昇という課題に直面しています。株価は6万円台で推移し、日銀は段階的な利上げを続ける見通しです。世界経済も供給ショックで減速が予想される一方、米国経済は底堅さを保っています。
詳細
国内経済の現状と課題
日本経済は緩やかな拡大から減速局面へと転換しつつあります。2026年度の実質GDP成長率は0.5%と、3月時点の0.8%から下方修正されました。中東情勢の悪化に伴い、エネルギー・資源価格が高騰し、サプライチェーンに混乱が生じています。特にホルムズ海峡の通航量が戦前比で9割超減少するなど、調達難が産業全体に波及する懸念が高まっています。
日経平均株価は5月21日に6万1684円を記録し、5月初旬の6万2000円超をピークに調整局面に入りました。上場企業の決算では6年連続の最高益が見込まれており、企業の価格転嫁姿勢が積極化している傾向があります。
物価と金利の上昇圧力
消費者物価は26年度が+2.6%と、3月時点の+2.1%から上方修正されました。ナフサ価格の高騰が石化製品や包装資材、物流費に波及し、年度後半にかけて食料品やエネルギー価格を中心に上昇率が高まる見通しです。政府による電気・ガス代補助の実施が予定されていますが、資源価格上昇をすべて抑えることは難しいとみられています。
日銀は物価安定を重視する姿勢を強調し、26年度に2回、27年度に1回の利上げを実施し、政策金利を1.5%へ引き上げると予想されています。現在の政策金利0.75%は30年ぶりの高水準ですが、市場では6月の会合での追加利上げ可能性が高いとみられています。
世界経済は供給ショックで停滞
世界経済は2.5%の成長率予測が公表されました。米国は2.0%の成長が見込まれ、底堅さを示している一方、欧州は0.8%(26年)と減速が予想されています。中東情勢に伴う原油価格の高止まり(WTI 100ドル超)が、エネルギー集約型産業を中心に経済活動を下押しするリスクがあります。
米国では4月のインフレ率が前年同月比3.8%に加速し、4月の消費者態度指数は1952年の調査開始以来最低を記録しました。ガソリン価格の高騰が個人消費に重くのしかかる懸念が強まっています。一方、1~3月期のGDP成長率は前期比年率2.0%と回復を示し、設備投資が10.4%増と堅調です。
為替相場の動き
円相場は4月30日の為替介入後、158~159円台で推移しています。政府・日銀は複数回の介入で1ドル160円を超える円安加速を抑制しました。円安の主因は日米金利差で、米国経済の強さとAI関連投資への期待が米国金利を支えています。企業の円換算利益には追い風ですが、輸入物価上昇を通じた物価押し上げが課題となっています。
今後の展望
当面、中東情勢の早期収束が経済のカギとなります。原油価格が高止まりすれば、日本の成長率が0.5%から更に低下する可能性があります。短期的には供給制約による悪影響が避けられませんが、ホルムズ海峡の輸送が26年末までに段階的に回復すれば、景気は緩やかな回復軌道に戻る見通しです。
金利面では日銀の利上げが続く可能性が高く、住宅ローン金利の上昇圧力が継続します。一方、企業業績の改善やAI関連技術への投資継続により、長期的な成長の余地は残されています。物価とエネルギー供給の正常化までは、政府による積極財政と日銀の慎重な金融政策運営のバランスが問われます。
