【ハルキゲニ男の未攻略ゲーム愛】2026年09月19日の気になる1本
今日の1本
…ハルキゲニ男です。気になるゲームを紹介します。今日紹介するのは、『シュレディンガーズ・コール』だ。ジャンルはノベルアドベンチャー。アクロバティックチリメンジャコというインディー開発チームが手がけ、集英社ゲームズから2026年5月28日にSteamおよびNintendo Switch向けにリリースされた作品なんだ。価格は2,480円。土曜の今日は、インディーゲームの中からこれを選んだ。
どんなゲーム?
舞台は、月が地球に落ちて人類文明が終わりを迎えた世界だ。記憶を失った状態で目覚めた少女・メアリは、謎の猫「ハムレット」に導かれ、死にきれない魂たちと繋がる不思議な電話を通じて、彼らの心残りや苦しみを取り除いていくことになる。彼女は一台の電話機を通じて、電話の向こうにいる”彼ら”がかつてどんな人生を送り、そして今何を考えているのか、耳を傾けていくことになる。伝えられなかった思い、気づけなかった愛、もう一度会いたかった人。そういった「心残り」が各章に描かれているんだ。
ゲームシステムはシンプルだ。基本的には選択肢を選ぶことでストーリーが進む形式で、メアリが小まめに残してくれるメモの項目から選択するパターンもある。メアリのメモはゲーム的にも「情報整理」「選択肢の根拠」「プレイヤーの思考補助」として機能し、物語とゲームシステムが自然に結びついている。
ゲニ男が気になる理由
「シュレディンガーの猫」という量子力学の思考実験をタイトルに持ってきているのが、まず気になった。生と死が重なり合う状態。それをゲームの根幹に据えているのは、なかなか鋭い構造だと思う。
本作は、集英社ゲームズ「ゲームクリエイターズCAMP」のコンテスト受賞から生まれた完全オリジナルタイトルなんだ。小さなチームが、コンテストから世に出てきた作品だ。そういう経緯のゲームほど、作り手の覚悟が詰まっていることが多い。
パッと見てすぐに魅力が”わかりやすい”ゲームとは言えない。けれど、そうしたゲームだからこそ、誰かにとってきっと必要であろう物語が描かれている。ゲームをプレイしながら、時に自分自身の心へ問いかけられるようで、心を丸裸にされる感覚を味わえるのは新しい体験だ。ゲームに「問い返される」感覚というのは、そうそう味わえるものじゃない。それだけで十分、気になる理由になる。
さらに、Steamでは本作の第1章をまるごとプレイでき、クリアデータを製品版に引き継ぐことも可能な無料体験版が配信されている。リスクゼロで試せるというのは、正直かなりありがたい。
こんな人にやってほしい
派手なアクションや複雑なシステムを求めている人には向かないかもしれない。でも、物語とじっくり向き合える人、ビジュアルノベルに慣れ親しんできた人には刺さると思う。あとは、最近なんとなく疲れている人にも。「誰かの心残りを聞く」という行為が、結局は自分自身を振り返ることに繋がるゲームだからだ。
