【ハルキゲニ男の未攻略ゲーム愛】2026年09月07日の気になる1本
今日の1本
…ハルキゲニ男です。気になるゲームを紹介します。今日紹介するのは、『Planescape: Torment』(プレーンスケープ・トーメント)だ。ジャンルはRPG。1999年12月にInterplayからPC向けに発売された作品で、開発はBlack Isle Studiosが手がけた。コアゲーマーの間では長年「史上最高のRPGのひとつ」として語り継がれている。Enhanced Editionとして現在でもSteamで入手できる。知っている人は知っている。でも意外と遊んでいない人も多いんだ。
どんなゲーム?
プレイヤーは不死の肉体を持ち、記憶を失ってしまった<名を持たぬ者>(The Nameless One)として、自らの記憶を追う旅に出る。仏教的なアコスミズムや社会進化論、アナーキズム、不可知論など、異なるイデオロギーや哲学に基づく複数の勢力が対立するマルチバースを舞台に、全ての記憶を失った名無しの主人公が抱える罪や贖罪、過去との対峙、自由意志にまつわるテーマが描かれる。重い。でも、それがいいんだ。
戦闘システムはAD&Dルールベースのリアルタイム・ウィズ・ポーズ方式を採用している。ただ、つまり、腕力ではなく言葉と知恵で世界を渡り歩くことができるんだ。これはRPG史においても異端だ。
冒険を共にする仲間たちが複数存在し、プレイヤーの行動によっては士気が下がり離脱するコンパニオンもいる。親密になると戦闘能力が向上するキャラクターもいるため、積極的に会話をすることが攻略につながる。仲間の一人、浮かぶ髑髏のモルテは序盤から案内役を務める。暗い世界観の中で、こいつのくだらない冗談がなぜか救いになる。
ゲニ男が気になる理由
このゲームが突き刺さるのは、問いかけてくるからだ。「What can change the nature of a man?(人の本質を変えうるものとは何か?)」という問いが、ゲームを通じて繰り返される。答えはプレイヤーに委ねられている。この問いに向き合うだけで、このゲームはすでに普通じゃない。
開発を率いたデザイナーChris Avelloneは、従来のRPG的お約束と慣習をことごとく覆し、不死の主人公を用意することで死亡をゲームメカニクスに統合し、セーブから死亡・リロードという流れを廃した。ゲームデザインの次元が違うんだ。死んでも話が続く。それがこのゲームの構造そのものになっている。
RPGとADVが別々の道を歩み、はじまりの場所で再会した作品とも言え、ストーリーとシステムが両立した稀有な存在だ。後の『Disco Elysium』や『Baldur’s Gate 3』にも影響を与えた先駆けでもある。源流を知りたければ、ここに帰ってくるしかない。
終盤での伏線回収の盛り上がりはもちろん、序盤からゾクリとさせる展開が多く、エンディングでは熱いカタルシスと深い余韻がある。静かに、しかし確実に刺さってくるゲームだ。
こんな人にやってほしい
ゲームで「物語」を求めている人に、特に言いたい。アクションの腕前は関係ない。テキストをじっくり読める根気があれば、それだけで入場資格はある。哲学とかD&Dとか難しく構えなくていいんだ。ただ、「自分とは何か」という問いを、ゲームの形で体験したい人には刺さる。
Steamで現在も購入できるし、有志による日本語化Modも存在する。環境は整っている。1999年のゲームと侮らないでほしい。物語の力は時代に関係ない。25年以上語り継がれていることが、それを証明しているんだ。
やってみる価値はある。…以上。
